SSブログ

黒猫組-05 [化け猫亭-20]

「そうだな、世間に認知されつつは有るが…、黒猫組、被災地での活動はどうなってる?」
「過去の被災地も含め地道に行っています、それぞれの規模は大きくないですが現在八か所に拠点を置き継続的な支援をしています。」
「長期に渡る支援になるのか?」
「過疎からの脱却も見据えていますので終わる事を考えていません。」
「うん、被災地は過疎化が進んでる所も少なくないね。」
「我々は、まず仮設の商店を復興のシンボルとして展開していますが、それは利益を得る事を前提にしています。」
「商売としては難しそうだが。」
「はい、販売だけでは成り立ちませんので、現地での買い付けも行っています。」
「あっ、それが被災地の人にとって収入源となるのか。」
「はい、買い付けた作物をそのまま都会で販売したり、加工し付加価値を付けてという事を始めています。
白猫組を中心とした全国展開の拠点も増えていますので、青森から各地の拠点を経由し商品を集め東京へ運ぶトラック便は、帰りの便で猫桜会傘下の製品を東北各地へ届けています。」
「独自の輸送販売体制か…。」
「ええ、すでに東京のBLACK CATS STOREは好調ですので、東北の商品は名古屋まで届きません。
同様に九州四国といった地域からの商品は大阪で、名古屋は中部圏からのみとなっていますが、北海道、沖縄からの航空便や船便を検討しています。」
「BLACK CATS STOREか…。」
「うちの関連会社が復興工事の入札に成功した所は特に盛り上がり、仮設ではない商店の建設も始まっています。」
「どこから手を付けて良いのか分からない過疎地の問題に対して、被災地優先という事か。」
「災害をきっかけに過疎化が一気に進みかねないじゃないですか、そこへ黒猫組で保護した人達を送り込む、現地の人に拒絶される可能性は否定出来ませんが、最悪、廃村になってから黒猫組で新たな村を起こしても良いのです。」
「そんな土地に需要は有るのか?」
「有りますよ、自分達が生きて行くのに必要なものを生産し余った物を売って日用品を購入する様な生活、黒猫組が見守っていればそれも可能です。」
「あっ、分かるよ、引退後のプランを考えていたのだが、晴耕雨読の田舎暮らしを想定したら支出が驚くほど少なくて、平穏な生活を乱す様な輩から貢物を差し出させるシステムが完成すれば生活に問題は無さそうなんだ。」
「はは、手ぶらでは遊びに行けない訳だな。」
「不思議ですよね、月収百万の人が月収五十万の人と比べて余裕が有るかと思いきや、お金で苦労している人がいたり、皆さんの感覚では分からないかも知れませんが、月収三十万でも堅実に暮らしている人のいるのですよ。」
「足るを知る、気持ちの問題なのだろうね。」
nice!(9)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 9

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。