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高松加奈-05 [化け猫亭-08]

「永井さん、娘にお見合いの相手とかいませんか?」
「高松社長、彼女達と釣り合う男はそんなにいませんよ、加奈さんは、まだ恋とかしたい年頃でしょうし。」
「高齢出産で苦労はして欲しくないです、早く孫の顔が…、なあ親父もひ孫の顔が見たいだろ。」
「それはそうだが、加奈に無理強いはしたくないわな。」
「加奈さんはどう考えてるの?」
「寄って来るのは中身の軽そうな人ばかりなのです、まだ妥協したく有りません。」
「う~ん、真面目な連中は、君の美貌に圧倒されているのかもな、小夜ちゃんも似た様な事を話してたね。」
「はい、ハイレベルな変わり者の遺伝子だけを頂いてシングルマザーというのも有りかと考えています。」
「突っ込み所満載の発言だが、シングルマザーは大変じゃないのかな。」
「しっかり稼いで家事は家政婦さんに任せれば良いのです。
離婚率の高さを考えると、結婚の時点で離婚時に関する契約を交わしておくのも有りですね。
相手はどんな形で有れ充分な収入の有る人、養育費を出せない様なレベルの人との結婚とならない様に人を見る目を養っているのです。」
「私の周りで離婚した人は少ないよ。」
「社会的地位の高い方は人目を気にしますし、互いに離婚のデメリットを考えつつ適度に遊んでいるとか有りませんか。」
「それは有るかもな、私は適度に遊ぶと言うより適度な距離感を気にしているが。」
「加奈さんのお母さんという事は、奥さんはお綺麗なのでしょうね。」
「まあ、知的美人だよ、ちなみに加奈の妹達もね。」
「そこまで自信もって話せるというのは羨ましいです。」
「親父のお陰で金は有りましたし、親父の会社を引き継ぎ易い様にと意識した学歴が結婚でも役に立ちました。」
「大勢の中から選んだという事ですか?」
「ええ、一番知的で真面目だった、加奈の事をもっと知れば自ずと分かります。」
「加奈さん、君の父上は何時もこうなのかい?」
「ふふ、夫婦同伴でのパーティ―の後とか、母が一番綺麗だったって自慢してますよ。」
「では、浮気とかは一切なしで?」
「それは分かりません、父は普通にもてますので、私は弟が欲しいとおねだりしていたのですが。」
「はは、変な噂が流れたら社員達にも申し訳ない、浮気願望は無いですよ。」
「突如現れた加奈の異母弟、それによって荒れる高松家、そんな中、その彼とと私が恋に落ちて、あ~この恋はどうなるのか~、という展開は無いのですか?」
「ないない、小夜ちゃんは何を考えていたの?」
「小説のあらすじですが、インパクトが弱いので作品化はやめておきます。」
「うちで最大の波乱は妹が東京の大学に行った事ぐらいよね、お爺ちゃんもお父さんも口では頑張ってとか言いつつ、泣きそうな顔してた。」
「まあ、性格的に一人暮らしを考えるだろうとは思っていたが…、変な男に騙される事無く卒業して欲しいな…。」
「大丈夫よ、しっかり自己管理出来てるわ、夏休みに彼氏を連れて来るかもしれないけど、少なくともうちの財産目当ての人ではなさそうよ。」
「そ、そうなのか…、親父、父親としてはどう対応すれば良いのかな?」
「う~ん、分からん、儂の子はお前を筆頭に男三人だぞ、分かる訳ないだろ。」
「やはり、娘が彼氏を連れて来たら狼狽えますよね。」
「永井さんは経験されているのですか?」
「中学生の娘が…。」
「もちろん、うちの娘と付き合う事など許さ~んって、ぶん殴ったのですよね。」
「小夜ちゃん、中学生相手にそんな事出来ないよ、それより、中学生ながらにきちんと挨拶してくれたから…、中学生時代の自分には無理だったと思って、狼狽えながら、節度ある交際をと言うのがやっとだったよ。」
「へ~、恰好良い子なのですね、その後はどうなのですか?」
「妻が気に入って、しっかり見守ってる、このまま無事に結婚して欲しいが、先の事は分からない。」
「羨ましいな、私にはそんな出会いが無かったのですよ。」
「小夜ちゃんは中学生時代から男の子を弄んでいたの?」
「弄ぶだなんてとんでもない、頭が悪いのに告白して来る連中には私の怖さを教えて差し上げましたが。」
「何をしたのか、知りたい様な知りたくない様な…。」
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