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猫田小夜-50 [化け猫亭-05]

「百人近くのスタッフがいるのなら、活動の幅を増やす事を考えてはどうかな。
例えば、うちの株主総会で、たこ焼きの出張販売とか、来てくれた学生には株主総会の見学だけでなく、我が社の紹介をさせて貰ったり、就職に関するアドバイスをさせて貰ったりといった時間も作れるよ。」
「うちでは社内イベントを手伝って欲しいかも、真面目な学生とは交流の場を持ちたいね。
我が社に就職してくれなくても、将来取引先となる可能性も有るからな。」
「ふふ、皆さんはただ、たこ焼きにつられて集って来た訳では無かったのですね。」
「当たり前だろ、小夜ちゃんの話は聞きたいし、桜さんに会えなくなって寂しい思いをしていたのは沼田氏だけじゃないんだ。
桜さん中心に出来上がる学生集団には興味津々だよ。」
「では、今夜十時から十一時まで桜さんが化け猫亭に出勤です、効率良く提案出来る様に相談しておきましょう。」
「おっ、そうなのか、う~ん…、取りまとめは松山氏にお願いして、沼田氏にはたこ焼きの追加と今までの話を桜さんに伝えて来て貰うという事でどうです?」
「分かった、たこ焼き買って来るよ。」
「私が進行すれば良いのか?」
「松山さんが適任だと思います。」
「はは、小夜ちゃんにそう言われてはやるしかないな。
このメンバーが動けば大きな力になるが、今日来てない常連へのフォローは小夜ちゃんに任せれば良いのか?」
「さりげなく聞き耳を立てているマスターが何とかしてくれます。」
「了解、では限られた時間だから…。」

時間を一時間と限定しておいたのは、ダラダラと長引かせない為。
準備をし時間を区切れば内容が濃くなる。
松山さんは、私の期待に応え、お客様方の意見をまとめて一時間分のスケジュールを組んで下さった。
そのスケジュールに沿った桜さんとの時間、皆さんは桜さんに見とれながらも建設的な話を。
ほぼ、私達が事前に考えていた通りとなり、学生組織と企業の接点を増やす事に成功しそうだ。
元々、化け猫亭のスタイルをマスターが考えたのは、真面目な女子大生と真面目な企業人との接点を作る事が目的。
その場を拡大して行く意味でオープンさせた店、CAT'S TAILは、当初から企業の後押しをイメージしていた。
今後の具体的な話は、桜さんの管理下、学生達が進めて行く事に成る。
マスターと桜さんが作った組織がどうなって行くのか、楽しみでしかないのは私だけしょうか?
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