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猫田小夜-49 [化け猫亭-05]

「残念ですね、沼田さんは学生では有りませんので、桜さんにこき使われる事が出来ないのです。」
「分かってるよ、でも、スタッフを引き抜いてしまって、桜さんは困らないのか?」
「スタッフは今も増員中です、少しぐらい引き抜いても問題無いです。」
「多く成り過ぎる心配とか…、そもそも適正な人数がイメージ出来ないのだが。」
「本当にお金を必要としている人は、他のバイトと掛け持ちしています。
店舗運営の実際を学ぶ場と考えている人ばかりですので、週に四時間だけ店で働くとか、シフトを組んだり事務作業をしているスタッフもいます。
全員必ず月に最低一時間は店で働くというのが条件、それは店の運営に於いて接客を忘れない為だそうです。」
「という事は、もっと人数が多くても大丈夫だが、少なくても問題無いって事かな。」
「はい、二店舗目へ向けての準備スタッフが動き始めても、大丈夫な体制をと考えての増員計画で、卒業の時期に、スタッフが大勢フェイドアウトして行く事も視野に入っています。」
「そうか、スタッフの入れ替わりが前提か…、店舗数をどれぐらい増やして行くとか長期ビジョンは有るのかな?」
「桜さんは、まず、大学に近い地下鉄駅中心に広げたいと考えています、星丘、八事辺りなら本山一号店のスタッフを分けて開業出来ますので候補ですね。
後は、スタッフの質が下がらないレベルを見極めて、卒業後も店のスタッフだった事を誇りに出来る、そんな店を目指したいと話して下さいました。
お金の力でチェーン店を増やして行く訳では無くて、大学生の体験の場として自然に拡大して行く事が理想なのです。
サークル的なノリの部分も有りますが、開店時から色々な統計を取っている学生がいるそうですし、店で出せるオリジナルスイーツの開発に取り組んでいる人もいます。
また、週替わりで芸大生の作品を飾る話も進行中です。」
「そうか、色々な分野の学生が係わると、それはそれで楽しそうだな。」
「工学部の学生から、オリジナルロボットを店に置いて欲しいという話も来ているそうですが、費用対効果を考えると、まだ難しいとか。」
「だろうな…。」
「小夜ちゃん、そこまでの取り組みならスポンサーをバックに置く事を考えても良いと思うよ。
桜さんの考えから外れない様、契約内容を充分吟味した上でないとまずいが、真面目な学生の活動を後押ししたいと思う人は少なく無い、店の予算を回しにくいロボットに関する取り組みなら…、そうだなその学生達の本気度によっては、私の方で後押ししても良いよ。」
「おお~、本間さんは、さりげにたこ焼きを食べていた訳では無かったのですね。」
「はは、社としても学生との繋がりは重要なんだ、優秀な学生全員を大企業に持っていかれる訳には行かなくて、努力してるんだよ。」
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