SSブログ

鹿沢桜-01 [化け猫亭-06]

「おっ、桜さん、今日は化け猫亭なんだ、CAT'S TAILの方は大丈夫なの?」
「ええ、スタッフが慣れて来ましたので。」
「全てが学生スタッフの手で動いているのかな?」
「勿論です、それが当初からの目標でしたので。」
「これからは化け猫亭にも出勤してくれるのか?」
「はい、以前と同じぐらいのペースですが。」
「もっと増やして欲しいけど無理は言えないか…。」
「色々有りまして。」
「ねえ、店名のCAT'S TAILは化け猫亭と関係しているのだろ?」
「ふふ、にゃんこのしっぽですよ。」
「化け猫の尻尾か…、猫又は尻尾が二つに割れているんだっけ?」
「あらっ、化け猫と猫又は少し違うのですよ。
人に飼われていた猫が長生きして人の言葉を話す様になったのが猫又、尻尾が二つになってです。
化け猫は人に恨みを持つ猫が魔力を持った妖怪なのですよ。」
「はは、改めて考えてみると化け猫亭って恐ろしい店名だな。」
「ですよね、でも、どうして化け猫亭にしたのかマスターは教えてくれないのです。」
「う~ん…、人に恨みが有るのだろうか…。」

「高川氏よ、桜さんを独占してると恨まれるぞ。」
「そうだな、折角だから皆でCAT'S TAILの事を聞こうか、桜さん、良いよね?」
「勿論です、先日のお話しで店と皆さんとの接点が広がりました、皆さんには、もっとCAT'S TAILの事を知って頂きたいです。」
「それなら、桜さんファンは移動だな。」

「私が知りたいのはCAT'S TAILスタッフが店で何を学んでいるかなんだけど。」
「スタッフは学部に関係なく、仕入れの流れから、客単価、原価率といった店舗運営の基礎を学習して貰っています。
経理関係の情報は全てのスタッフで共有、日々のデータを確認出来る環境は情報工学系の学生が経済関係の学生達と実習を兼ねて構築してくれました。
今は独立した株式会社にする準備を法学部の学生中心に進めていますが、やはり進捗状況をスタッフ全員が確認出来る形にしています。」
「学生が作った情報システムは見てみたいな。」
「是非、見て頂きたいたいです。
出来ればプロの目から見たアドバイスをお願いしたいのですが。」
「私も興味が有る、アドバイスは出来そうにないが。」
「構いません、化け猫亭のお客様には学生スタッフがアクセス出来るのと同じレベルで閲覧して頂けます、店のシフトに入る受付は出来ませんが。」
「はは、研修を受けて無いからな、で、情報は経営面だけなの?」
「防犯カメラの映像も見られますよ。」
「えっ、スタッフが見られる状態にしているの?」
「ええ、防犯上より、店の混み具合を知りたいという声が有りまして。
映像を見て、暇そうだったらお客さんに、混雑してたら応援店員にと考えているスタッフが居るのです、レジ情報から判断している人もいますが。」
「なるほど、俺も店の混み具合を確認してから行けば良いのか。」
「店に於ける金の流れは全員が把握出来るのかな。」
「はい、詳細なデータを確認出来ますので卒論での利用を考えている学生もいます。」
「そのデータを我々が利用しても構わないのか?」
「勿論構いません、化け猫亭のお客様方とは良い協力関係が築けると思っていますので。」
「桜さんが店長の店なら参考になると思う、アクセス方法は?」
「希望される方にはメールを送らせて頂きます。」
「手を上げれば良いのかな?」
「ふふ、私からのメールを受け取りたい人~!」
『は~い!』
nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 5

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。