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猫田小夜-46 [化け猫亭-05]

「小夜ちゃんは、たこ焼きをおねだりするんだね、でも、お客さんに買いに行って貰って良いのか?」
「大丈夫ですよ、買いに行って頂く方は選んでいますので、沼田さんは、おねだりされて嬉しそうに見えませんでしたか?」
「はは、確かにそうだったな。」
「多分大喜びで帰ってらっしゃいますよ。
私は、檜田さんとも、お話ししたかったのです。」
「はは、嬉しい事を言ってくれるね、今日は一人で来店してる客が多いから、静かに飲むのも有りかと思っていたのだよ。」
「ふふ、お客様の鏡です。
それで、先日の話なのですが、マスターが将棋の駒と盤を用意しても良いと話していまして。」
「そうか、試してみる事にしたのか、それなら私の方で用意させて貰うよ、高過ぎず安過ぎずというのを持っているんだ、安物では店の雰囲気にそぐわないからな。」
「有難う御座います、檜田さん、私にも教えて下さいますか?」
「勿論さ。」
「初心者向け、詰将棋を始めたのです。」
「うん、やってみてどう?」
「他事を考えられない所が新鮮です、今まで真剣に頭を使う遊びはして来ませんでしたので。」
「そうか、でも、やり過ぎて学習に影響を与えてはまずいのだが。」
「そこはコントロール出来ています、将棋を覚えたとしても指すのは化け猫将棋道場だけにしようと思っています。」
「ふむ、少し残念な気もするが、二十歳から始めた天才がここでの仕事中だけでどこまで強くなれるのか楽しみだよ。
なあ、羽生竜王が車の運転をしないのは、将棋の事をつい考えてしまうと他の事が疎かになって危険だからだと聞いた事が有るのだが、小夜ちゃんもそういう所は有る?」
「どうでしょう、そこまで集中して考える事は余り有りませんでしたので。」
「そうか。」
「今はまだ簡単な詰将棋で精一杯ですし。」
「どうやって解いてるの?、駒を並べて?」
「ネットで見つけた問題を覚えておいて、頭の中で解いてます、そういうものでは無いのですか?」
「普通に問題見ながら解かないの?」
「それでは簡単過ぎるじゃないですか。」
「うっ、問題見ながらもっと難しいのに挑戦しても良いと思うがね。」
「あくまでも気分転換ですので。」
「なるほど…。」
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