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猫田小夜-09 [化け猫亭-01]

「小夜ちゃんの話には説得力が有るね、政治家向きかもな。」
「政治家なんて嫌です、魅力的な職業では無いから優秀な人が出て来ないのだとは思いませんか?」
「そうなのかな…。」
「有権者に媚びを売らないと当選出来ないのですよ。
ヒステリックで人格を疑う様な人でも当選するのが選挙、知名度が低いと優秀な人でも当選出来ない。
真面目に議員を目指して来た人の前に、政治の事を全く知らない有名人が立ち塞がる構図。
有権者は政策や主張なんて無関係で投票していますよ、組織票みたいに利害関係だけの投票行動も有りますしね。」
「一般の有権者にとって政治の世界は難しいからな。」
「自由平等を謳う民主主義の欠点ですよね、谷口さんを洗脳して、独裁者を目指す私に一票を入れさせるのは簡単そうだもの。」
「えっ、独裁者を目指しているの?」
「冗談ですよ、でも、私が立候補したら一票入れて下さるでしょ。」
「あ、ああ、入れるよ。」
「その一票の理由が私の胸だったりしませんか?」
「い、いや…、そんな事は無い、小夜ちゃんの論理的な話に魅かれたからであって…、君のプロポーションは関係ないよ…。」
「でも、それが投票行動に繋がるのが選挙だと思いませんか?」
「う~ん、容姿だけで人を選びそうな人に…、心当たりは有るな。」
「その辺りが、民主主義の限界で、本当に力の有る天才なら現代社会でもヒトラーになれるのですよ。」
「独裁者って、冗談じゃなかったの?」
「私には、そこまでの能力は有りません、でも、偶像として一人を表に出し、裏で数人の天才が手を組んで操作したら、それ程難しい事ではないと思います。」
「…。」
「弁舌が軽やかで爽やかなイケメンを党首にして、政策立案などを天才レベルの人達で行う政党を作れば面白いと思うのですが、彼等にとってメリットはないでしょう。
真面目にやっていても足を引っ張られる様な政治の世界、魅力ある職場とは言えませんね。」
「地位や名誉を求める人はいないのかな…、確かに高い能力を持っている人から見たら、国会質疑の場なんて時間の無駄でバカバカしく思うだろうが。」
「国の事を考える場では無く、相手の足を引っ張る事しか考えていませんからね。
ところで、山下さんは、森友、加計の問題、どの様に考えていらっしゃるのですか?」
「そうだな…、小夜ちゃんの話を聞いて、もう一度考え直してみたくなったよ、有難うね。」

化け猫亭のお客さんには山下さんの様な質問をする人が少なくない。
真面目な話が息抜きになるという人の存在は、バイトを始めてから知った事だ。
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