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神沢祐樹-139 [高校生会議2-22]

「その、神沢社長の掲げた理想に、多くの方がボランティア社員という普通では考えられない形で応じられたということですね。」
「はい、岩崎高校生会議や遥香システム有っての事ですが、ボランティア社員は現在の総務部長が提案、そこから一気に盛り上がりまして、一部の総務系社員を除き、自分達の給料は自分達で稼ぎ出す、黒字にして堂々と給料を受け取る、社内組織も、まず基本形を作りそこから必要に応じて変化させて行くという事でどんどん話が進みました。
とにかく入社を希望して下さる方が多過ぎましたので、全員を受け入れるには他に方法が無かったのです。」
「社員の皆さんは、神沢社長のファン、今はLENTOのファンだそうですね。」
「はは、子どもの頃から目立ってまして…。」
「その起業時に社員の方々の心を掴んだポイントの一つが、ハンディをお持ちの方にお仕事を、という取り組みですね、現時点ではどうなっているのでしょうか?」
「スタートから間が有りませんが着実に進んでいます、協力して下さる方がすごく多いのですよ。」
「ボランティアの協力が多いという事でしょうか、でも、寄付では無く投資、という言葉を耳にしていますが。」
「今はボランティアの方々に支えられていますが、製造現場の環境改善を社員一同考えています、そして、小さな施設であっても自力での黒字化を目指す、その為の投資です、寄付や行政からの支援で支えられ続けると言うのではなくマネジメント体制を確立し、事業所としての収益をあげる、簡単な事では有りませんが担当社員はそのまま、子会社化もしくは吸収合併を考えています。」
「元は非営利、福祉系の施設をですか?」
「ええ、同じ作業をするにしても、多くの支援を受けて働いているのと、自力で利益を出しているのとでは、働く人の意識に大きな差が出来ると思いませんか。
私達は、商品にオリジナルグッズという付加価値を付けさせて頂く事で利益を確保し、製造に携わって下さっている方々の給料をまともな金額にしようと考えているのです。」
「企業にとっては重荷としか思えませんが。」
「はは、重荷ではなく実現可能な目標として、うちの社員は素敵な人ばかりなのですよ。
ただ単に利益を追求するのではないハードルの高い取り組みに、何の躊躇いもなくトライしてくれる最高の仲間が我が社の社員達なのです。」
「でも簡単な事では有りませんよね?」
「そうですか? 会社を黒字にし、それを維持出来るメンバーが集まりました。
そこで得られた利益の一部を、社会の為に投資する、それだけの事です。
我が社は規模が小さいですが、もし、莫大な利益を上げておられる企業がその利益の一部を社会問題解決に充てていたら、日本はもっと良い国になっていたと思います。」
「大企業はそれなりに社会貢献を考えてると思いますが。」
「はは、真剣に考えていたら非正規雇用で人件費を抑える、なんて発想は出て来ないです。
人を大切にしていたら、貧富の差が広がらなかったでしょうし、それに伴う少子化問題もここまでは悪化しなかったと思いませんか?」
「神沢社長は企業の責任という考え方なのですね。」
「はい、現代社会に於いて巨大企業は小国家と言えるだけの存在です。
そのトップは選挙で選ばれた訳では無いのですが。」
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