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神沢祐樹-140 [高校生会議2-22]

「起業された段階で、企業の在り方を考えておられたという事でしょうか?」
「ええ、ひたすら営利を追求すると言う、企業の概念そのものを変えて行かないと日本は、いえ世界は良くなって行かないと考えています。」
「難しい話ですが。」
「そうですね、AIが普及し機械化が進んだとしたら社会はどうなると予測されているかご存知ですか?」
「雇用の場が減るとかですね。」
「人類の未来を考えず貧富の差を更に広げる、各企業はひたすら自社の利益を追い求め続けるのでしょうか?」
「確かに…、私も番組を通して企業の営利追及の現場を見させて頂きましたが…、弱者を排除して行くという感覚が有る事は否定出来ません。」
「少し視点を変えて、様々な経済活動が効率化され尽くしたら、人は何をすれば良いと思いますか?」
「う~ん、お金が有れば遊んで暮らすという事でしょうか。」
「お金の無い人は暮らして行けませんし、ただ遊んで暮らすというのも味気ないです。
自分達が柿川フレンズをイメージしたのは、趣味の活動を後押ししようと考えての事。
柿川市は残業の無い企業が多いので趣味の活動が盛んですが、生活を豊かにする趣味の世界はAIの普及や機械化とも折り合いが付けられると思うのです。」
「それが、芸能活動をビジネスにと考えられた背景なのですね、ビジネスモデルとしての柿川フレンズを少し教えて頂けますか?」
「はい、柿川は市の規模の割に音楽活動などが盛んです、ですが、それでも施設は限られています。
私達は、アマチュアでも比較的人気の高いバンドやコーラスグループ中心に声を掛け、柿川フレンズという集合体を作りました。
まとめた事により、ライブ日程の調整がスムーズになっただけで無く注目度が上がった訳です。
ライブを開いても五十人ほどの集客力しかなかったバンドが三グループ共同ライブを開くと五百席が埋まるとか、CDを出しても千枚売るのに苦労していたバンドが軽く二千枚完売出来る様になって来ました。」
「相乗効果という事ですね、もちろんLENTOの活躍が全体を引っ張ったとは思いますが、LENTO以外は大きな利益とまでは行きませんよね。」
「ええ、ですが秋から冬にかけては、飲食店のイベントで演奏を披露したり、結婚式で歌声を披露など、一つ一つは小さくても、柿川フレンズの様々な展開で柿川を生演奏で溢れる市にして行きます。
それと並行し、柿川フレンズ、LENTOのグッズとして様々なアイテムを紹介させて頂いているところを更に充実させて行きます。
便利なのに余り日の目を見ていなかった商品のデザインを特別仕様にし販売させて頂いたところ、まあ、グッズと言うより、新ブランドという感覚を持って頂く事に成功し大きな売り上げとなりつつ有りますので。」
「それが可能になったポイントは何でしょう?」
「優秀な社員の力です、僅かな時間で平凡な商品のデザインを変えヒット商品に作り替えてしまう人や、その企画をハイスピードでメーカーサイドと調整する社員がいます。
また、我が社の理念をアピールし企業イメージ、ブランドイメージを高める事を考える社員がいたりと、人の力ですね。
岩崎高校生会議のメンバーも協力して下さっていますし。」
「優秀な方々が神沢社長の元に集まったという事ですね。」
「いえ、自分の元にというよりは、実験的取り組みを成功させたいという人達が結集したという事です。」
「絵美お嬢さまは同意されていない様ですが。」
「はい、社員の皆さんは祐樹さまの事がとてもお好きなのです、社員達から愛される存在がトップにいる事の意味を考えて頂けたらと思います。」
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