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神沢祐樹-11 [高校生会議2-10]

「兄がお世話になっています、神沢優香と申します、宜しくお願いします。」
「今日は御免なさいね、お兄さまとのお買い物に無理言って割り込ませて頂いて。」
「気になさらないで下さい、一件目はどんなお店に案内させて頂けばよろしいですか?」
「まずは三人が今日着て歩く服を買いに行きましょう。」
「はい、ではショッピングモールへお願いします。」
「鈴木さん分かりますね。」
「はい、お嬢様、どうぞ皆さんお乗りください。」

「どうだ優香、少しはお嬢様気分を味わえているか?」
「はい、お兄さま。」
「でもな、お嬢様は庶民の事を学ばれたいと思っておられるのだよ。」
「えっ、そうなのですか、えっと…、白川さん。」
「あらっ、私の事は絵美と呼んで下さらないのでしょうか。」
「えっ、ええっと…、絵美さんとお呼びすればよろしいのでしょうか。」
「はい、でもそんなに硬くなされなくて良いのですよ。
私は普段通りの優香さんを知りたいのです。」
「はは、優香はちゃんとTPOをわきまえる事が出来る子なんだ、でも本物のお嬢様の前でどう振る舞えば良いのか分からなくて戸惑っているんだよ。」
「そうなのですか。」
「はい…。」
「俺は絵美の少し庶民とずれた所が面白いと思ったのだがな。」
「祐樹さま、そのご発言に対して私はどう応じればよろしいのでしょうか?」
「ふふ、絵美さんはお兄さまに戸惑ってらっしゃるのですね。」
「ええ、祐樹さまは私にとって初めてのお友達なのです、女性のお友達の様な存在はおりましたが、こんなにも一緒にいて言葉に出来ない色々な感情が湧き上がってくる、本当のお友達はいませんでした。」
「それは…、祐兄はどうなの?
今まで見かけで人を判断しないと言ってたのに、結局美人じゃない。」
「いや、絵美は真面目に社会問題も考える人なんだ、見かけだけの人だったら優香に会わせたりしていないよ。」
「そっか、でも絵美さんが心配なのだけど。」
「私が心配ですか?」
「すごく心配です、変な男が群がって来そうなのと、女生徒から嫌がらせを受けそうで。」
「そんな…。」
「兄はファンが多くて中には迷惑な人もいるのです。」
「ファンですか…。」
「集団心理だよ、女の子受けするイケメンは幾らでもいる、でも一部の女の子達が、俺のことを、テレビに出ているアイドルより恰好良いし身近な存在だって騒ぎ始めたのがきっかけでね。
まあ、表向きの騒ぎは落ち着いたのだが。」
「お兄さまは油断し過ぎなのです、すでに絵美さんとの噂はしっかり広まっていますよ。
昨日の目撃情報だけでもかなりの数です。」
「町中を歩いて写真を撮られるのは何時もの事だからな。」
「絵美さんとの事で落ち着けば良いのですが、逆に…。」
「優香さん、大丈夫ですよ、祐樹さまに責任もって守って頂きますから。」
「あらっ、そういう所はしっかりしてらっしゃるのですね、ふふ、そうね、お兄さましっかり守って差し上げてね。」
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