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神沢祐樹-10 [高校生会議2-09]

「…、という事なんだ。
あれ、祐樹くんの話を聞く筈が随分自分の事ばかり話してしまった気がするなぁ、君は聞き上手だね。」
「お父さま、気付くのが遅すぎです、でも久しぶりにリラックスしたお父さまを見られた気がします。」
「そうか…、まあ大きめの投資を始めた所だったからな、なあ君は社長に成る気は有るのか?」
「そうですね、普通に岩崎関係に就職して出世して社長を目指すという選択肢は有ります、ただ自分の周りの大人達は色々うるさくて、平社員なんかになるなだとか、ひどいのは脱サラしろとか、サラリーマンにすらなっていないのにですよ。」
「いや分かる気がする、君は器の大きさを感じさせてくれるからな。
うちは岩崎グループでは無いが取引先として協力関係に有る。
私自身、岩崎雄太社長のお考えに共感して社内改革を進めて来たのだ。
ここを拠点にするに当たっては岩崎社長とも話をさせて頂いてね。
岩崎社長は岩崎以外の企業も頑張ってるという所を積極的に見せて行く事で、本当に日本が強くなって行くと話して下さったよ。
今度、うちでも遥香システムを導入するのだが、君には高校生社員になって貰えないだろうか。
勤務時間はうんと短くて構わない。
私達も岩崎高校生会議の一員として学ばせて貰いながら社会貢献を考えているんだ。」
「有難う御座います、でもお会いして間の無い自分でよろしいのですか?」
「大丈夫さ、人を見る目がなかったら人の上には立てないよ。
岩崎から学んだのは高校生を企業内に持つ事のメリットなんだ。
もちろん岩崎高校生会議有っての事では有るが、優秀な人材の力を伸ばしつつ、そうでない子達の底上げを考えているだろ。
おっと、君はまだ高校生会議には参加していなかったのかな。」
「登録は済ませました、来週の新入生向けイベントにも申し込んで有ります。」
「そうか、ならば絵美を一緒に連れて行って貰えないだろうか?」
「はい、喜んで。」
「有難う、それではだな…。」
「あなた、祐樹さんを何時まで独り占めしているのですか。」
「ああ、そうか。」
「お父さま、祐樹さまを私の部屋へお連れしてもよろしいですか?」
「ふむ、仕方ない貸してあげよう。」

「御免なさい、父は普段はあんなに話す人ではないのですが、祐樹さまが来て下さって嬉しかったみたいです。」
「まあ、喜んで頂けたのなら俺も嬉しいし、提案して下さった事は前向きに考えたいと思うよ。」
「え~っと、まずは来週の服装ですね。」
「今日と同じで良いだろ。」
「それはだめです、その様な事がお婆様に知れたら怒られてしまいますし、楽しくないでは有りませんか。」
「分かったよ、それでどうするの?」
「明日、一緒にお買い物というのは如何でしょう?」
「明日は、妹の買い物に付き合う約束をしているのだが。」
「それでは三人でお買い物で良いですよね、妹さんともお話したいですし。」
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