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神沢祐樹-09 [高校生会議2-09]

「初めまして、神沢祐樹と申します、よろしくお願いします。」
「うん、よく来てくれた、まあ上がって下さい。」
「失礼します。」

「先に謝っておくが君の事は少々調べさせて貰ったんだよ、世間知らずの娘の事、いきなりとんでもない男と付き合う事になっては心配だからな。」
「その気持ちは分かります、自分も妹がいますから。」
「ふむ、少し気になっているのだが、君が娘の隣の席になったのは本当に偶然なのかな。」
「表向きは偶然ですが、教師の策略かも知れません。」
「ほほう、その根拠は?」
「お嬢様学校から進学して来た美人で校内に知り合いはいない、そんなどう接するか苦慮する存在を押し付けるのに、自分なら都合が良いと考えたのかも知れません。
座席のくじは担任なら細工出来るものでしたから。」
「はは、なるほどな、娘から始めて異性のお友達が出来ましたと報告を受けて調査させたら、すぐに色々な噂話が入って来て平凡な男ではないとは思ったのだ。
絵美、彼はとても女生徒に人気があるって知ってたか?」
「その様なお話はまだ、でも素敵な方ですから納得できます。」
「ただあまりにも告白される事が多くて、うんざり、それで自分から告白する人としか付き合わない宣言をしたのは本当なのか?」
「はい、自分はアイドルでは有りませんし、度を越し始めましたので。」
「ところが可愛い女の子と買い物をしているところを目撃されバッシング、その相手が妹だと知れると今度はシスコンとか色々。」
「はは、随分しっかり調べて下さったのですね。」
「でも堂々と中学生生活を送り、学業優秀なだけでなくバスケ部でも活躍、うちは娘が一人だから息子に欲しいぐらいだよ。」
「自分は次男なので養子の話は時々ある様です。」
「色んな人に狙われてる訳だな、それで絵美の事はどう思った?」
「正直言って驚きました、昨日までは適当に友達を作る手助けしたら距離を置こうと思っていたのです。
でも、綺麗なだけでなく社会問題や、同級生たちが興味を持たない様な事にも関心が有って、素敵な女性だと思っています。」
「友達以上の関係は?」
「もちろんその気持ちは有ります、ただ絵美さんは今まで男性と接する事が余り無かったそうですので、自分で良いのかどうか絵美さんがご自身で判断出来る様になるまで時間が必要だと思います。」
「絵美はどうなんだ?」
「先ほどのお話ですと私からお友達以上のお付き合いをお願いする訳には行かない様です…。」
「そんなに悲しそうな顔をしないでよ、まだ出会って間もないだろ、友達では有るのだからさ。」
「祐樹くん、東京では私の両親が近くで暮らしていてね、その事が絵美の世界を狭くしていると感じていたのだよ、女子校も両親の意向だったのだが、少し有ってね。
それで思い切って引っ越す事にしたんだ、まあ、何にしてもこれから仲良くしてやってくれな。」
「はい、もちろんです、そのつもりで今日はお邪魔させて頂きましたので。」
「頼もしいな、私が高一の頃はただのガキだったぞ。」
「でもその頃には社長の跡取りとしての葛藤とか有ったのではないですか?」
「そうだな…。」
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