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神沢祐樹-04 [高校生会議2-09]

「絵美、ランニング実習はどうだった?」
「はい、すごく早くなりました、人生初の九秒台ですよ! 
十秒の壁を越えられる日が来るとは思っていませんでした。」
「そ、そりゃあすごい、最初の計測は?」
「十四秒ぐらいです、一生懸命走ったつもりでしたのに。」
「確かにすごいな、素直に指導を受け入れる気持ちがないとそこまで記録は伸びないよ。
でも潜在的に持っていた筋力を活かさない走り方をしていたのだろうな。」
「そういう事なのですね、祐樹さまは如何でしたか?」
「六秒台だ。」
「わぁ、すごい! やはり男の方は違うのですね。」
「でも記録が伸びない寂しさは有る、中学時代から科学的トレーニングをして来た成果なんだ、講義はどうだった?」
「とても楽しかったです、興味深いお話ばかりでしたし、祐樹さまも壇上に上がられていましたから。」
「はは、うちの中学は特別だったからね。
あっ、君は中学が…、どう友達は出来そうか?」
「まだ、分かりません、皆さん同じ中学からのお友達と話しておられる様で、まだコミュニケーションを取るに至っておりません、皆さんと同じ様な話し方を試みたりしているのですが上手に話せなくて…。」
「無理に合わせなくて良いさ、そんなのは自然に染まって行く物なんだ。
まあ、絵美は運が悪かったよ、今は岩崎関連が落ち着いて来て転入者が少ないんだ。
俺が越して来た頃は工場や倉庫の移転が多くて、あちこちから越して来た子ばかりでさ、何言ってるのか分からない様な方言が平気で飛び交っていたんだ。」
「そうでしたか、私の父は岩崎関係と取引の有る会社なのです、先を見越してここに拠点を構える事になり越してまいりました。
ただ父の方針で、比較的若い社員を中心に転勤をお願いした関係で、お子さま方の年齢層が低いのです。」
「なるほどね、取り敢えず友達が出来るまでは俺が…、ただな俺と一緒だと友達が出来にくくなるかもしれないのだが。」
「構わないです、大切な友人は人数では無いと思います、祐樹さまさえお友達でいて下されば絵美は多くを望みません。」
「はは…、まあ、部活とか始まれば自然に友達が増えるさ。」
「はい、来週の部活体験が楽しみです、でもその前に明日は町を案内して下さるのですよね。」
「ああ、何か希望は有るか?」
「特には…、あっ、お洋服はどの様なものをお召でしょう、明日着て行く服が決まらないのです。」
「うっ、その手の事情は分からないが…、俺が遊びに行く時の服を見せれば良いのか?」
「お願いします。」

「最近買ったのはこれなんだけど、隣に写ってる妹の趣味なんだ。」
「妹さん可愛らしいですね、明日はこの服を着て下さるのですか?」
「君が構わなければそうするが。」
「お願いします、これでゆっくり眠れます。」
「えっ? そんなに迷ってたの?」
「女の子にとってはとても重要な事なのですよ。」
「へ~、そういうものなのかね。」
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