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神沢祐樹-03 [高校生会議2-09]

「悠斗、コーチも来てるじゃないか。」
「まあ、そういう集まりなのさ。」

「コーチ、お久しぶりです。」
「おお、祐樹か、お前入学早々彼女が出来たんだって?」
「え~、誰がそんな事?」
「今日、随分親密に話してた美人がいたそうじゃないか、どうなんだ実際の所は?」
「まともに話したのは今日が初めてです、最近越して来た子で色んな事情が分かっていないから教えてあげていただけですよ。」
「だが彼女は頬を赤らめていたのだろ?」
「男女共学が初めてで戸惑っていたのですよ。
それより今から何をするのですか?」
「ああ、高校で運動の基礎講習が有る事は知ってるだろ。」
「はい、でも俺達が中学で経験して来た事なんですよね。」
「ああ、だから、北中の体育系部活出身者には講習を手伝って貰う事になってな、お前は知らなかったのか?」
「はい、数少ない友人は最近物忘れが激しい様で少し心配です。」
「まあ、君の事情は知っているが、高校入学は良い機会だと思うぞ、せめて皆にメアドぐらいは教えてやれよ。」
「ですが…、今日の出来事がコーチの耳にいい加減な形で伝わっている現状を思うと、やはり今のままが良いです。
影で何と言われようが気になりませんから。」
「そうか…、そうだな岩崎高校生会議には参加するんだろ。」
「もちろんです。」
「なら問題ないかな、遥香システムを使う様になれば連絡も取り易くなる、今年度からは部活関連でも使えるようになるんだ、祐樹には真っ先に使いこなして貰わないとな。」
「それは楽しみです、親父が市長室関係のワークシートを見せてくれました。
高校生がトップの組織なのに市政改革の先頭に立っていてすごいです。」
「はは、室長は女子大生になられたがな、まあ、今日集まって貰ったのは高校生会議がらみでも有るからよろしく頼むわ。」
「分かりました。」
「そろそろ時間だな…、お~い、集まってくれるか~、高校毎にまとまってくれ。」

「コーチ、大体の話は分かっているのですが。」
「そうだったな、まあ確認だけして後は高校毎で相談して貰う事にしよう。
君達が中学で取り組んで来た科学的トレーニングを、各高校の新一年生に説明する時に手伝って欲しい訳だ。
その打ち合わせと、バスケ部部員募集を考えて欲しい。
先輩からの紹介も有るが、新入部員の君達からお誘いするのも有りだろ。」
「あれ? 俺は違うスポーツに挑戦しようと思ってるのだけどな。」
「お前…、綾香は、高校でもバスケをやる人はって、ちゃんと書いてたぞ。」
「いや~、綾香と偶然会った時に、忘れないで来てねと言われちまって、よく読んでなかったわ。」
「なら、帰っていいぞ。」
「え~、仲間外れですか~。」
「高校ではバスケ部の仲間にならないのだろ?」
「そんなぁ~、冷たいな~。」
「バスケ部の宣伝をして置いて他の部に入ったらまずいだろ。」
「俺達の高校はバスケ部希望者多いから大丈夫だ、安心して帰ってくれ。」
「コーチ、みんなひどいっすよね。」
「いや、もう高校生なんだから連絡の文章ぐらい、きちんと読まないとな。
冗談ではなく帰って良い、いや帰るべきだな、部外者なんだから。」
「はぁ~。」
「自分の行動に責任を持てと教えて来たつもりだ、これから同じ部活の仲間として結束して行こうとしている連中の邪魔にしかならないと思わないか。」
「はい…。」
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