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板垣千景-06 [高校生会議2-05]

誠は夏休みが終わりに近づき大学へ。
毎日の様に顔を合わせていた夏の終わりは寂しかった。
それでも、いや、だからこそ誠に良い報告が出来る様、政治研究会での役割は真面目にこなしている。
お母さんからは…。

「千景、市長候補、竹本社長と対談の話が来てるけど、どう?」
「えっ? どういう話?」
「高一の可愛い女の子が政治研究会で頑張ってるって噂を竹本社長が聞きつけて、会ってみたいそうなの。
これまで、みどりの風の地域支部に横の繋がりをと動いてくれてたでしょ、市長候補とも繋がりを持っておいて、悪くないんじゃない?」
「う~ん、対談の内容はどこかで発表するの?」
「ええ、編集して、最低でもこのエリアの岩崎関係者全員の目に届く様に、出来れば市内の有権者全員にね。」
「内容がまだ分からないのに?」
「あらっ、みどりの風関係者の皆さんは、あなたの考えに賛成だそうよ、だから市長候補と対談してもおかしな事にはならないだろうと判断してるの。」
「そうね、竹本社長も岩崎雄太社長を尊敬してみえるそうだから問題無いか。」
「じゃあOKしとくね。」

お母さんはやけに嬉しそうだったが、その理由はすぐに分かった。
竹本社長との対談会場は料亭。
そんな席に慣れてない私の為という事で、私のマナー教室と称して家族揃っての会食に。
美味しかったが、お母さんが私を口実にお父さんを説得したで有ろう事は明白。
最近、こんな母の血を私がしっかり受け継いでいると感じる事は多い。
さりげなく政治研究会を動かしていたりする…。
でも、そんな事もお父さんはお見通しで、策士策に溺れるなと言いながらお母さんのドジ話を教えてくれた、嬉しそうに。
夫婦仲は悪く無いのだ。
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