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113-ブランド [岩崎雄太-12]

「並行して中高年向けブランドも検討して行きたいよね。」
「そっちの方が現実的よ、お客さんは中高年ばかりだから。」
「農村や漁村の女性、老人のファッションなんて低く扱われてたと思わない?」
「そりゃ、生活環境も都会とは違うし…。」
「田舎暮らしでも、お洒落をする事で生活が豊かになると思うな。」
「あっ、店でちょっとしたアクセサリーを買って貰ってたお婆ちゃんの笑顔…、お年を召した方でも嬉しいんだなって思いました。」
「お洒落する事で気持ちが若返る、健康にも良い影響が有りそうよね。」
「作業着だって、一工夫してお洒落に出来ないかしら、もちろん着易さは重要だけど。」
「そうね、農業チームとも相談してしてみようか。」

そこへ、史枝が茶菓子を持参して入って来る。
神田はこれまでの話の内容をまとめながら史枝に説明し。

「史枝ちゃん、どうかな、人口が少ないから大きな売り上げは期待できないけど。」
「良いですね、進めて下さい、ただここだけでなく株式会社岩崎の他の拠点とも相談して行きたいです。
それぞれが同じコンセプトの下に商品開発を手掛け、統一ブランドの形で販売して行けば品数を豊富に出来ると思いますし、相乗効果で売り上げアップに繋がります。
ローカルアイドル岩崎正平は、長野、岐阜、愛知などの拠点でも応援して貰えそうです。
グッズも、岐阜では比較的安価な商品を中心に製造、岩崎村と、ここで高価格帯プラス、オーダーメイドというのも有りです、デザイン面は他のデザイナーと競い合う事になりますが、田舎発のブランドという形に乗ってくれそうな人は少なくないと思います。」
「うっ、プロと勝負かぁ~。」
「咲子姉さん燃えますね。」
「そうね、実習生もどんどんアイデア出して。」
「正平の応援もお願いします、人気が出れば関連グッズの売り上げも伸びます、そしたら弟や妹を安心して増やせますから。」
「CDとか出さないの、まとめ買いして昔の仲間に贈るわよ。」
「もうすぐ完成です、スーパー銭湯で売る予定で作成したのですが…、お父さまったらいきなり一万枚も作らせてしまって。」
「ふふ、親馬鹿なのね、でも勝算もなく無駄な事をさせるお人ではないから大丈夫よ。」
「売れ残ったら、私が一枚ずつ売って歩きます…。」
「全部売れるまで帰れないのね、ってマッチ売りの少女じゃあるまいし。」
「史枝ちゃん、一万枚なんて簡単に売れるわよ、ネットに上げたサンプル動画、みんなが知り合いに教えているから再生回数伸びてるでしょ、一度見た人が宣伝してくれるから、まだまだ伸びるわよ。
大体、岩崎社長の息子がCDデビュー、歌の実力あっての事だから岩崎大ファミリーが応援しない訳がない、一万枚じゃ足りないわよ。」
「咲子姉さん…。」
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