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112-発信 [岩崎雄太-12]

「一旦、今の流行を忘れましょ。」

発言者は神田咲子、流行発信チームのリーダーだ。

「流行って誰が作ってるのかしらね。」
「流行は繰り返される。」
「でも、私達が発信すると言っても取っ掛かりが…。」
「その為に正平がいるのよ、正平の歌がどこまで受け入れて貰えるかはまだ分からないけど、黙っていればイケメンだからファンも出来ると思うの。」
「彼にトークは厳禁よね。」
「まずは彼に似合いそうな服を幾つか作る、それからアレンジして男性向け女性向けを商品化、簡単に言えば正平のファンが集まったら、みんなが違和感なく一つの集団と感じられるけど、制服ではなくそれぞれの個性が発揮出来るという、そんなブランドってどう?」
「難しそうですが出来なくはないですね、でも、そうなると割高になって、訓練生には手が出せなくなりそうです。」
「そこはあなた達、実習生次第、職業訓練校や養護施設の子の為の服はあなた達に完成させて欲しいの、男の子のも女の子のも、みんなが着たいと思ってくれる様に完成させて実際にみんなが着てくれたらそのまま広告塔でしょ、私達は店で売る商品を、時にはオーダーメイドで作るわ。
売れるかどうかは、まず実習生の力によるかもね、正平が売れればそのまま宣伝になるのだけど。」
「行けそうな気がするわ、ドライブインの周辺が魅力有るエリアとして広がっている、そこで流行っているファッションなら自分もって気になるでしょうね、奇を衒ったデザインにしなければ難しくないと思うわ。」
「実習生にとっても色々な意味でプラスになるでしょ、いい加減な仕事をしない事が前提だけど。」
「は、はい、心して…。」
「じゃあ、私のデザイン見てくれるかな。」

「うっ、そう来たか…、あの曲からのイメージなのね、私は史枝ちゃんと組み合わせてみたけど…。」

「無難に収めたのね…、ねえあの二人って不思議よね、正平が史枝ちゃんに頼っているのかと思うと史枝ちゃんが正平に甘えていたり、それを正平は受け止めているから男っぽい奴かと思いきや、ただのおバカ。」
「私達の常識が通用しない次元なのよね、彼等にも暗い過去が有るからだろうけど…」
「支えてあげましょうよ、実習生の君達も私達の娘みたいなものだから何か有ったら相談してね。」
「はい、有難う御座います。」
「でも作品に手抜きは許しませんよ、ここから一つのファッションを発信して行こうと考えているのですからね。」
「は、はい。」
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