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22-お見合い [岩崎雄太-03]

林業チームは経験値の上昇と共に作業効率を上げ、社有地に有る森を随分綺麗にした。
それでも手付かずの植林地が残っているのは、社有地が増えている事と請負作業を始めた事による。

「なあ、このまま作業が進んだら現場までの距離はどんどん遠くなるんだよな。」
「まだ随分先の話だがな、でもそうなったら拠点となる集落を確保して行くそうだぞ、社長は強気なんだ。」
「野郎ばかりで合宿生活か?」
「いや、食事洗濯掃除をしてくれるサポートチームの同行も考えて下さっているよ。
まずは作業エリアに住宅確保、そこを拠点に俺達が森で作業、並行して農業などの可能性を探る、森での作業が一段落ついた所で、俺達は次なる拠点へ、空いた住居へは農業チームとかが入って次なる再生ってとこかな。」
「一つの拠点で何年という単位だよな。」
「ああ、この周辺だけで社有地は半端なく増えているからな。」
「まさに大地主、社員体験で来てた人も驚いてたよ、社有地の広さに。」
「どうだ、体験から入社って人はいるのか?」
「入社に前向きな人は多いそうだよ、ドキュメンタリーでマイナス部分も知っての応募だから、それなりに覚悟があると思うな。」
「うちへの増員も有りなのか?」
「ああ、でも製材チーム、木工チーム、農業チーム、ネット通販から…、ほら新しく出来るスーパーマーケットの新システム開発でも人材は必要だからな。」
「あれっ、スーパーは別会社じゃないのか?」
「システム開発をその会社から請け負うという形にするそうだ、ここの住人を増やす為にね。」
「そんな職種の人がここに来るのかな。」
「岩崎村の綺麗な街並みと豊かな自然、ずっと別荘地で暮らしてる感覚だって、佐々木村長は話してたぞ。」
「そうか、独身寮の完成が待ち遠しいな。」
「俺はここが気に入ってるし、竹田さんから養子にならないかとお誘いを受けている、都会で暮らす娘さんが、ここの変化を知って帰って来るかもしれないそうだ、今度、お見合いってのをする事になってる。」
「おお~、そんな進展が有るのか、相手が良い人で上手く行くと良いな。」
「そうだな、町で暮らしてた頃は自分がお見合いをするなんて考えてもなかった、結婚するなら家は立派のを建てて下るそうだ。」
「竹田さんの所は田畑の管理や森の間伐をうちで請け負う事になったんだよな、俺達の会社が出来た事で元からの住人にも変化が起きている訳だな。」
「ああ。」
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