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09-麗子 [キング-01]

翌日登場したのは女性だ。

「あら、なかなかの男前ね、麗子よ、よろしく。」
「こちらこそ、私はキングと名乗ってる、麗子というと試験体番号の末尾が0だったのか?」
「そうよ、あなたはどうしてキングにしたの?」
「どうせ知らない奴に呼ばれるなら、呼ばれて気分の良い名称の方がましだろ。」
「確かにそうね、私も女王様と呼ばせりゃ良かったかな。」
「はは、そっち系の人?」
「全然平凡よ、と言っても何をしてたか覚えてないけど。」

話を聞くと昨日のセブンと、ここでの生活はそんなに変わらない様だ、ただ料理の腕前はなかなかのもの。
そういった記憶は残っているという事か。
セブンの話もしたが。

「あなたは二人目なのに私はあなたが初めて、明日以降の事も聞いてないの、キングは特別なのかしら。」
「さあな、でもまた会えると良いな。」
「ええ。」

そして彼女も唐突に消えた。
その後も日替わりでの来客、結局男性三人と女性四人がこの島に来た。
七人ともここでの暮らしぶりに大差はないようで一様に羨ましがられた。
また七人目まで誰もが私以外の人に会っていないという。
マリア達にどんな考えが有るのか不明だったが。

「キング、殺したくなる相手はいたか?」
「いや、皆、そんな人ではない。」
「そうか、では共に暮らしたいと思うか。」
「ああ、マリアと二人も悪くないが、君は姿を見せてくれないからね。」
「では明日よりその様にしよう。」
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