SSブログ

10-八人 [キング-01]

翌日七人が唐突に現れた。
互いに声を交わす。
結局全員、私以外とは初対面だった。
広過ぎたダイニングルームが、八人でテーブルを囲むのに調度良かったのは偶然だ。
今にして思えば随分贅沢なお願いをマリアにしていたと思う。
お茶の用意が済んだ所でマリアからのメッセージを伝える。

「ここに住むのなら家を建てても良いし、この建物の部屋を増やしても良いそうだ、増やすまでもなく全員分の部屋は有る、お願いしてみたらマリアは快く作ってくれたのだ、無駄な部屋と分かっていたかどうかは謎だが。」
「そんなお願いしようとも思わなかったわ。」
「この島には住みたいけど、住居に関してすぐに決めなくちゃいけないのかな。」
「いやセブン、急ぐ必要はない、まだお互いの距離感も掴めて無い訳だから。」
「私はキングの近くが良いかな、安心感有るし。」
「はは麗子、知り合って間がないのだから簡単に人物評価をするのは間違いの元だと思うぞ。」
「でも、キングだけがこの広さの空間を手に入れた、それだけでも私より能力がうんと上だと感じるの。」
「焦って欲しくないのはこの男女の構成比だ、男女四名ずつという事に意味が有るのなら、余計な先入観を持っての共同生活スタートは好ましくないと思う。」
「でも、ここはキングの国な訳だし、リーダーはキングにお願いしたいと思うがどうかな、必要だろリーダーは。」
「ロックに賛成だ、何時どうなるか分からない俺達だが、キングならましな方向へ導いてくれそうな気がする。」

三郎の意見に皆うなずく、表情から見て取るに反対の者はいない様だ。
問題は四人の女性に有る、四人とも外見は平均以上だ、しかも私に好意的、先々トラブルに繋がる可能性大だ。
男性四名の中で今の自分は一歩抜きん出た状態に有る、生物の本能として優秀な子孫を残す事を考えたら現時点では一番の配偶者候補だろう。
だがこのグループをまとめて行くにはバランスが必要だ。
コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。