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08-セブン [キング-01]

目の前に突然現れたのは男性だった。
見た目から判断するに私と同じぐらいの年齢だろうか。

「初めまして、ここではキングと名乗ってます。」
「よろしく、自分はセブンです。」
「やはり記憶は。」
「ええ、ジーザスから、あなたは自分と同じ境遇だと教えられてここに来ました。」
「そうか、私のはマリアだから管理者は一人ではないのだな。」
「そうでしたか、それにしてもここは随分広いですね。」
「ああ、マリアに頼んだら広くしてくれた。」
「自分も頼んだら少し広くして貰えたのですが、ここ程にはなりませんでした、おかげで自給自足に苦労しています。」
「最初に寿司とビールを出して貰えたから、その勢いで遠慮せずに頼んだ結果だが。」
「成程、自分は遠慮し過ぎたのかな。」
「ここを案内しましょうか?」
「是非お願いします。」

それからは二人で色々な話をした。
セブンは試験体番号の末尾が7だったからという事、彼の部屋の様子、自分達の境遇についてなど。
彼は城にも漁船にも驚いた様子。
ここへ来る前に頼んだ部屋の模様替えは、第一段階終了を理由に断られたという。
今から広く出来る可能性は低いと彼は落ち込んでいた。
だが私は、今でも領土を拡大して貰っている。
明らかに彼と私とでは扱いが違う様だ、マリアとジーザス、管理者の違いによる事なのか、他に理由があるのか、勿論私には分からないが。
食事を共にし色々羨ましがられた所で時間切れになった様だ。

彼は突然消えた。
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