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室長-03 [安藤優-03]

この日、帰りも矢崎が学校へ優を迎えに行き、会議の様子などを報告しながら自宅へ送った。
「矢崎さん、そろそろ社長特務室内の役割分担を明確にして行きます、皆さんもう特務室の役目は分かって下さっていると思いますからね。
仕事によっては全員で当たりますが、各自が主に担当する役割を相談して下さい、来週の会議には自分も出席しますのでその時に今後の方向性を再確認しましょう。
とりあえず来月のアメリカ視察の時は池端さんには日本に残って頂いて現地との連絡を担当して頂く方向でお願いします。」
「はい、ただ…、池端はパスポートの用意をしたとか…。」
「そうですか、無駄な事をさせた事は自分から謝ります、でも遊びに行く訳では有りませんし、彼に預けてある案件のポイントになる時期がその頃になります、日本に一人必要だと思いまして、彼なら我々の留守中をしっかり守ってくれると思いますが如何でしょうか。」
「そうですね…、ただ彼がどう感じるか…。」
「悩ましい所かもしれませんね、結果彼を強く推薦した丸山副社長とは今後ひと悶着あるかもしれません、でも父には極力ご内密にお願いします。」
「どういう事なのですか?」
「彼は試そうとしてるのですよ、自分の…、ねえ矢崎さん、自分の事、僕と話すのと、私と話すのとどちらがしっくりきます? 迷って自分と表現してるのですが。」
「室長レベルなら私でも違和感ないです、もちろん私の個人的な感覚ですが。」
「有難うございます、丸山副社長は悪意なく私を試そうとしてるのだと思います、この事は外部には漏らして欲しく有りませんが大丈夫ですか?」
「はい。」
「特務室の皆さんには伝えて頂いて構いません、池端さんにもですが、特務室内に能力は高くても特務室向けではない人物を置いて私の判断を試していると考えています。
私としては、池端さんの能力を十二分に活用したいと考えていますので、彼のポジションを皆さんのバックアップ的な所にしたいと思っています、矢崎さんはどう思われます。」
「確かに室長のお考え通りだと思います、バックアップしながら社長特務室とは何かを学んで貰うレベルだと、たぶん宇野も加山もそう感じているでしょう、まだ時間が早いですから、この後、緊急会議を開いて調整させて頂きます。」
「お願いします。」
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