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調査部-05 [チーム桜-08]

とある役所のホール。
説明会が行われている。

「今回の調査は、チーム桜の障害者雇用研究チームからの依頼で行われます、このエリアに暮らし何らかのハンデをお持ちの方々の内、仕事をしたいが雇ってくれる先がないという方に絞っての対面調査です。
一次調査二次調査と調査員を変えて行い必要なら三次調査まで行う徹底調査です。
通常の調査では主観を交えない客観的視点での調査活動が要求されますが、今回は調査員の方々が感じられた事を積極的に報告して頂きたいと考えています。
調査結果を踏まえ、桜根傘下で働いて頂く事を前提に考えていますのでよろしくお願いします。
最大の注意点として上げさせて頂きたいのは、何が出来るのかをしっかり調査して頂きたいという事です、どういった障害をお持ちなのかは事前調査で有る程度把握しています、我々に必要なのは、何が出来るのかという事なのです、もしかしたらご本人も気付いておられない、仕事に生かせる能力がないかを調べて頂くのが一次調査のメインになると考えて下さい、後は二次以降の調査で就業への可能性を見極めて行きたいと考えています。
何にしても単純な調査ではないとご理解下さい。
では具体的な説明に入らせて頂きます…。」

説明会の後。

「今回の調査は対象者の人数もそれなりに多いですよね。」
「はい、ですがすぐ来春学校を卒業といった人達の調査も予定していますので…。」
「障害者雇用研究チームは人数足りてるの?」
「サポート要員は足りてないかな、受け入れ先の理解が進んで来ているから今はぎりぎり何とか回しているけど。」
「安藤社長のお話には、少し驚いたけど今の桜根の勢いなら無理ではないよね。」
「企業としての社会貢献を前面に打ち出している訳だから、他の企業にも広がって行くと良いんだけど。」
「まずは調査対象の方に何が出来るかをしっかり見極めたいな。」
「こちらからも色々提案してみるという事だから、調査員同士情報交換もしていきたいわね。」
「確かに単純な調査じゃないよな、今まで経験してきたのとは全く違う…、俺の卒論テーマにしようかな。」
「それなら調査部に情報提供依頼をしておいた方が良いんじゃない。」
「そっか、頼んでみるよ。」

一次調査終了後。

「どうだった?」
「受け持った人達にすごく差があって、少し戸惑ったわ。」
「だよな、俺は一人の方に色々教えて頂いたよ、高い能力が今まで生かされて無かった気がして残念に思ったから最優先で報告させて貰った。」
「うまく行きそうなの?」
「ああ、桜根本社雇用在宅勤務の方向で、面接も自宅へ訪問する形にして下さるそうだよ。」
「そうか、在宅勤務を見落としてたわ、すぐ連絡取らなくっちゃ、ごめんね食事会パスさせて。」
「分かった、頑張ってくれな。」

「障害によっては、ほんとに何が出来るんだろうって考え込まなかった?」
「だよね、今回の調査では色々考えさせられたな。」
「二次調査では担当を変えてとなるけど…。」
「一次調査の結果を参考になんて、通常の調査では無かったんじゃない?」
「調査より結果、障害者雇用研究チームも必死で取り組んでるらしい。」
「安藤社長はこの地から変えて行きたいと宣言してみえたからね。」
「結果を出して、チーム桜の存在を全国にアピールしたいよな。」
「うん、二次も頑張ろうよ。」
「ああ。」
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