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調査部-04 [チーム桜-08]

安藤の自宅。
くつろいだ形でのミーティングを佐紀が提案して十名ほど集まっている。

「なあ水野、チーム桜政治部として調査部に依頼した結果は予想通りだったろ。」
「ああ、佐々木の言った通り賛成意見ばかりだった。」
「まあ、チーム桜関連で調査すればそうなる、問題はそれ以外の人達がどう思っているかだな、安藤、踏み込んだ調査を依頼するか?」
「タイミング的にはどうなんだろう。」
「佐々木くん、政治部の活動を紹介してからとその前では結果が違ってこないかしら?」
「確かに佐紀の言う通りかもしれない、一般向けのまともな調査は費用も掛かるから…、政治部の紹介に触れた人とそうでない人の差も有るかな。」
「水野としては、現時点での政治部をどう考えている?」
「まだまだ弱いと思う、ただ今後の展開を考えると研究部門として政治部を発展させて行きたいと思う、それには一つの目標を提示する必要が有ると思うんだ、安藤、目標って必要だろ。」
「ああ、ただ反対意見をきちんと受け止める体制が必要だとは思うな、多数決で安易に決めていては弱くなるからね。」
「政治部を紹介して行く過程でも、その辺りを強調しないといけないわね、他人の意見に流されてしまう人も少なくないから。」
「まずは、政治部関連の記事や番組で意見募集という形で始めるか、それを調査部で集約して貰うくらいなら、費用は最低限度で済ませられるし、まともな反論を下さった方とはコンタクトを取り続けてアドバイスを頂くというのも有りだろ。」
「そうね、その方向で行くなら制作部と広報部に連絡入れるわよ、政治部に対する注目度アップのゴーサインになるけど。」
「水野さえ良ければ、佐紀、俺は構わんよ。」
「ああOKだ、政治部の方向性は示せる。」

そこへ案内され松野里香が入って来る。

「遅くなりまして、御免なさい。」
「いや、松野さん今始まったとこだから気にしないで、飲み物は。」
「うわっ、何でも有りなんですね、何か高そうなのばかり…。」
「まあ貰い物ばかりで申し訳ないが、食事も用意してるから、今日はゆっくりして行ってね。」
「有難う御座います安藤社長。」
「ふふ、今日は裏で手伝ってくれてる人も含めて歳の差はないから社長は抜きよ。」
「でも…。」

「松野さん、仕事の方はどう?」
「まあ、今は先輩方が作り上げて下さった形に乗って作業を進めている段階ですから、そんなに大変でも有りません、ただ着手前の案件にちょっと疑問を感じる案件が有りまして…。」
「調査依頼はしたの?」
「ええ、事情をお話したら先輩方も調査依頼すべきだと。」
「組関係?」
「はい、近くに用が有ったので会社の前を通ってみたのですが、それらしき人物が…、手遅れだったのかもしれません。」
「そういった事情は特殊調査室に伝えて有るかな?」
「はい。」
「とりあえず、松野さんはその案件の事は忘れて下さい、副社長になってもそういった案件は対策室に任せてね。
それと飲食店関連をまとめて再編する会社も対策室との連携を密にと考えているから、しばらくはベテラン連中にお願いして欲しいんだ、組関連が絡んで来易いからね。」
「上を目指していますが、そういった事の処理が出来なくても良いのでしょうか?」
「これは通常業務じゃないんだ、警察と密接に関係して行く事になるからね、名称も対策室として何をしてるかぼかしている位だからね、うちが頑張ると組関係の資金源を減らす事になると思うから気にはして欲しいけど。」
「あっ、そうですよね、そうか、本業を頑張ればそういった効果も有るのですね、頑張らねば。」
「はは、頼もしいね、ただ慎重には行くけど、いずれは色々ちょっかいを出して来るとは思っている、対策室は先手も考えてくれてるけど気をつけてな。」
「はい」
「まあここみたいな安心な店で飲み会をしてれば大丈夫だよ。」
「佐々木くん、ここはお店じゃないんですけど。」
「いや気楽にどうぞ、特に今日の様な半分仕事みたいな時はね。」
「そうだぞ、安藤は佐紀だけのものじゃないんだからな。」
「あ~ん、隆二~、佐々木くんがいぢめる~。」
「はは。」
「ここは盗聴にまで気を使って貰ってるんだ、安藤の父上様も色々気を使って下さっていてね。」
「私なんかが…、良いのですか、ご一緒させて頂いて。」
「桜根本社副社長となったら、しっかり注目を浴びる事になる、嫌でもセキュリティのしっかりしたマンションに引っ越して貰うからね。」
「仕事はやりがいが有って楽しいのですが、あのおんぼろアパートの風情が好きだったんですよ。」
「じゃあ、外見はピカピカなのに中に入ったら、哀愁の漂う部屋って感じにリフォームしてみたら?」
「え~、考えてなかった…、でも、佐紀さん、それ有りかも。」
「そんなリフォーム手伝いたいって奴大勢居そうだな。」
「松野さん彼氏は?」
「う~ん、まずは里香って呼んで下さいよ~、佐々木さんは私の対象外だけど。」
「はは…、里香さん彼氏は?」
「はい、いません。」
「それじゃあだめよ、桜根の副社長が仕事しか出来ない女と思われて欲しくないわ。」
「おいおい、うちの大切な社員をいじめないでくれな。」
「有難う御座います安藤社長、一生ついて行きます。」
「あ~。」
「佐紀、墓穴を掘ったな、正妻の座は里香さんに譲ってだな…。」
「絶対だめ!」
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