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調査部-03 [チーム桜-08]

桜根オフィス。

「調査部に入ってくれて有難うね。」
「いえ、チーム桜では色々な調査活動を行っていますから、そこから自分の卒論テーマを見つけられると思ってます。」
「そうだね、うちの調査は色々有るからきっと見つかるよ。」
「自分は具体的に何をすれば良いのですか?」
「今日の研修、一つ目は今上がって来てる調査依頼案件の確認と整理、今見えてる画面がこのシステムのメイン画面になるからね。」
「はい、え~っと、ここをクリックすれば良いのですか?」
「うん、クリックしてくれるかな…、一覧が表示されたら未着手というボタンをクリックしてね。」
「はい。」

「モデル地区関連の調査も有れば、テレビ番組に対する調査が有ったり、オリジナルグッズに関する市場調査とか色々でしょ。」
「はい。」
「それぞれの調査指示を確定して行こうか、では未着手リスト一番上の項目を選択して開いてくれるかな。」
「はい。」
「依頼内容を確認してみようか、この依頼は、桜総合学園制作部からだね、今度放送される実験的な番組について五段階評価と感想や意見、放送終了から三十六時間で締め切り、対象者は特に指定なし。
この内容なら告知は全員を選択して、フォームを作成するにチェックを入れて確認をクリック。
OKそこまでやってくれたら、確認と実行は社員がやるからね。」
「これだけですか?」
「まあ、依頼内容によって複雑になるのも有るけど、これは一番簡単な依頼だね。」
「この後はどうなるのですか?」
「社員がフォームに問題がないかチェックして確定を実行すると、アンケート登録している人にメールが届く、アンケートに応えようと思った人は、番組を見てからアクセスして回答、締めきったら五段階評価別で自動集計、さらに文章もキーワードで有る程度分けられる、軽くチェックしてからデータを制作部で見れる様にして連絡、これで終了だね。」
「なるほど。」
「次のをやってみようか、リストの画面に戻って上から処理して行こう、上の案件程古いからね。」
「今度は女性を限定していますね、でも他は先ほどのとあまり変わりません。」
「そうだね、では対象者を女性にして先ほどと同様に。」
「出来ました。」

「基本は簡単なんだけど、そうだね一つ覚えておいて欲しいのは、今、作業したアンケートでは正確な調査は出来ないという事なんだ。」
「えっ、でもそれなりの回答数が集まりますよね。」
「ああ、ただね回答者はチーム桜に興味が有って、ネット環境が有ってアンケーに応えても良いと思ってる人に限定されるだろ。」
「あっ、そうですね。」
「今の案件はその誤差を気にしない内容だから問題がない訳だけど、調査依頼によっては全く違った対応をする事になるからね、対面調査とか。」
「大変そうですけど…。」
「ずいぶん昔の話だけど、選挙に関して電話による事前調査をした事が有ったんだ、その結果は大外れでね。」
「どうしてです?」
「その頃はまだ電話が充分に発達していなくて、電話を利用できる人が限られていたのさ、つまり電話を持っていない人達の考えは調査に反映されなかったという事だね、これは極端な例だけど。」
「ネットでの調査はネットを使う環境にない人の考えが反映されない訳ですね。」
「ああ、そういう事さ、で、もう一つ調査で気をつけなければ行けない事が有ってね、結論有りきの調査、まあ研究でもそうなんだけど、たぶんこういう結果になるだろう、もしくはこういう結果が出て欲しいと思って調査、研究をすると、調査の公平性を欠く事が有るんだ。」
「公平性ですか?」
「知らない内に自分の都合の良い結果へ誘導している様な調査は、公正な調査とは言えないだろ。」
「そんな事が有るのですか?」
「例えば、田舎暮らしは大変ですよね? と質問する、回答は田舎暮らしの大変さが中心になりかねない、が、田舎暮らしはどうです? と質問すると、のんびりしてて良いとか、先祖が残して下さった土地だから、とか、もちろん、田舎暮らしの大変さも返って来るだろうが、率は違って来るだろうね。」
「田舎暮らしの大変さを強調する為の誘導をしてるかもしれないと言うことですね。」
「悪意がなくてもね、調査の方法を間違えると人に不利益をもたらす事も有るから注意が必要なんだ。」
「はい、気をつけます。」
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