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卒業旅行-02 [チーム桜-05]

「ねえ隆二、卒業旅行みたいなのの準備は出来た?」
「まあな、姉さんが手伝ってくれたよ。」
「そっか、結婚を控えてちょっとしんみりした話もしたの?」
「ああ、俺が社長になってから色々気を使ってくれてたし。」
「ふふ、お姉さまの結婚式の事は考えてるのかな?」
「もちろんさ、相手が桜根の社員だし…、でも微妙だよな、自分よりずいぶん年上の部下が姉と結婚ってさ、俺も応援しての結果とは言え、花婿の上司として挨拶するのか、花嫁の弟として挨拶するのかさ。」
「隆二でも気にするんだ。」
「当たり前だろ、だいたい社員のほとんどが自分より年上って、こんな社長少ないと思うぞ。」
「それを立派にこなしてる姿が素敵なんだけどな~。」
「はは、ちゃんとフォローしてくれよな、結婚式当日も。」
「大丈夫よ色々調べてるし、中身の薄い会話は私の方で引き受けるから、そういうの苦手でしょ。」
「まあな…、そんな薄い会話の中に面白い発見がないかと思う事も有るけど、結局得られるものがないと感じて終わってしまう、まあ自分が未熟なんだろうけど。」
「そんな事ないわよ、あ、お父様はどう? この間は少し酔ってみえたから。」
「もう舞い上がってしまって、ごめんな、姉の結婚が近づいてきて、ちょっとナーバスになってた所で紹介したからか、桜根の規模が親父の会社を超える勢いになって来てるって話したからか、まあ佐紀となら何時でも結婚OKと話してくれたよ。」
「うふっ、じゃあ、後はタイミングだけなのかな。」
「うん、ちょっとばかり有名人になってしまったから、今回の旅行中に皆とも相談したいと思うけどどう?」
「そうね、私のテーマでも有る、結婚、出産、子育て支援の取り組みにプラスになる形でね…。」
「なあ婚約発表は広報担当常務がするんだよな。」
「大丈夫よ、隆二は私の隣でにこにこしてれば良いの。」
「その、にこにこが苦手なんだけど…。」
「じゃあじゃがいもでも置いとくかな。」
「そのじゃがいもに申し訳ない気がする。」
「うふ、早く発表したいな~。」
「はは、それより卒業旅行の最初は九州だけど大川部長のバックアップは出来そうかな?」
「もちろんよ、その為の企画でも有るからね、今回の旅行は。
現地でのイベント中に桜根九州支社設立の正式発表とか、全国発信への流れについての報告は問題はなさそう、イレギュラー対応も含めて全社でバックアップしていこうって山上さんも頑張って下さっているし。」
「大川部長も山上部長も前の会社で実績が有って、転職する理由なんてなかったのにな。」
「安藤社長に夢を感じたって、山上さん仰ってたわよ。」
「あっ、山上部長、佐紀にはそんな話もするんだな。」
「ふふ、大川部長とも色々話してますよ~。」
「その割に俺には…、その部長達との話が伝わって来ない気がするけど。」
「ほんとに重要な事以外は隆二に伝えるなって言われてるのよ、仕事を増やす事になるからって。」
「はは、確かに色々聞いてしまうと色々考えてしまうからな、俺は。」
「でも、人に恵まれたわね、桜根は。」
「だな、人は石垣人は城だからね。」
「社長に魅力がなかったらそうは行かないわよ、あ、そうそう隆二のお父さまが会社の社長だったなんて知らなかったな~。」
「まあ、話す必要ないと思ってたし、親父からは社長になるに当たって色々アドバイスは貰ったけど、桜根が安定するまではあえて、表立った協力はして貰わない様に話していたんだ。」
「でもサポート企業でもおかしくない企業でしょ。」
「親の力を借りて成功させても後々続かないだろ、でも桜根の経営には親父やお爺さまの考えが生きているんだ、社長が見栄を張るなとかね。」
「そうか優良企業の社長の教えって事ね、実際やばかった会社の何割かは社長にも問題が有ったもんね。」
「まあ、親父の会社も今後は桜根傘下入りを検討するらしい。」
「えっ、サポートとか協力企業ではなくて?」
「俺に押し付けて、趣味に生きる事を検討中だそうだ。」
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