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桜根-06 [チーム桜-04]

岐阜県の地方都市、その、とある居酒屋にて。

「小栗さんすいません、お時間を取らせてしまって。」
「えっ、そんな…、長江さん、我社の方がお願いしてる立場ですから。」
「でも小栗さんは社長でもないし、今は残業という事でもないですよね。」
「はい、まあ仕事を終えた後の…。」
「でも私と仕事に関係する話しをして下さっていて。」
「まあ、飲み屋では普通の事ですよ。」
「安藤社長からはサービス残業禁止って言われてるんですよ。」
「そりゃそうですよね。」
「でも自分としては…、自分に力が有れば、本来の会議内で今日の議題をまとめれたと思うのです。」
「いえ、結構色々と気を使って下さってますからやむを得ないと思います。」
「それが、同時入社の人は自分の何倍もの成果を出してましてね。
自分も、もっと会社に貢献したいのにって…、あっ、すいません自分の愚痴みたいな事話してしまって。」
「いいえ、桜根の事が少し分かった気がします。
会社に貢献なんて事、我が社の何人が考えていることやら…。」
「チーム桜に対する理解は如何ですか?」
「まだ、各々調べ始めたって感じで反応はあまり感じられません。」
「そうですか、う~ん、でしたら来月のイベントとチーム桜幹部の講演会に、まあイベントだけの参加でも構いませんから皆さんに勧めてみて頂けませんか。」
「イベントの方に興味を持ってる連中は何人かいるみたいですが。」
「今回はクラシック系とポップス系の二本有りますから、どちらかに…、講演会を含めると三本ですが。」
「はい、でもどうしてここなんです?」
「会場が取れたということも有りますが、この周辺から桜根傘下入り希望が結構有りまして、ならば集まって頂いて話しをさせて頂こうかとなりました。
どうせなら目立つ形でとなりまして。」
「イベントはともかく、講演会に人は集まりますか?」
「えっ、講演会はネットとかの情報から推測すると、チケット発売後即完売じゃないかと、今まで社長業が忙しくてなかなか人前に出てこなかった安藤社長、チーム桜のボランティア系を中心に動いておられる佐々木代表、テレビ番組制作会社を軌道に乗せ、芸能事務所の設立にも貢献した遠藤社長、チーム桜、桜根の広報担当美人重役早瀬佐紀さん、どなたかお一人の講演でも会場は埋まりますよ。
遠方からも絶対行きたいって人何人もいますよ。」
「そうなんですか、私も社長から桜根入りの話しを聴かされて、まだ調べている段階でして…、成功してるとは理解していましたがそんな感じとは。」
「よろしくお願いします、桜根支社の一号がここになるかもしれないんです。
すでに桜根傘下になって改善が進んでいる会社の社長が、この地区の旗艦会社となって協力したいと話して下さって、桜根本社も手狭になるだろうから支社の建物も知り合いと相談するからと。」
「すいません失礼しました、自分よく分かってなかったです、もう一度真剣に調べ直して今後の事を考えてみたいと思います。
私自身も社長命令みたいな感覚でいまして、今一つ気持ちが。」
「そうでしたか、色々改善すべき点が有りそうですね、場合によっては社長交代ですか。」
「えっ、でも今回の事は社長が言いだされた事ですが。」
「それでも社長に問題が有るのなら、そこを変えないと駄目じゃないですか。
おたくの社長もそれだけの覚悟がなかったら、事実上社長の権限を失う、桜根という持ち株会社の傘下に入る決断は下せませんよ。」
「そ、そうですよね…、うちの株を桜根の株と交換と言っても比率を考えたら…。
安藤社長はどんな方なんです…。」
「自分は尊敬してます、本気で弱い立場の人の事を考えて下さっているって何時も感じてますから。
そうですね、小栗さんの会社をやめようと思ってる様な人の事も。
私利私欲に走る様な方でも有りませんし…、安藤社長の給料は私よりかなり少ないんですよ。」
「えっ?」
「大学を卒業されたら、社員一同、社長の給料大幅アップを社長の反対が有っても決行させて頂きますけどね。」
「そうですか…、う~ん…、うちの社長の収入なんて考えたこと有りませんでした。
でも、儲かっていたら、桜根傘下入りなんて考えなかったでしょうね…。」
「ですね…。」
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