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桜根-03 [チーム桜-04]

桜根の会議室。
就職説明会に十名の就職希望者が来ていた。
氏名確認などの後、話し始めたのは人事担当の山上。

「一通りの事は事前にお渡しした書類の通りです。
それを踏まえてご質問等有りましたらどうぞ。」
「はい。」
「どうぞ。」
「希望の職種以外も色々研修と有りますが、希望の職種に就けない事も有るのですか?」
「基本、資料に掲載して有ります、人が足りてない会社の部署を希望された場合はそこが優先的な就業部署になります、ただし著しく適正に欠くと判断された場合は別の部署を勧めさせて頂きます。
また予定の人数以上に希望者が有った場合は、申し訳ありませんが、研修時の成績等により選ばせて頂きます。
ただ、研修の過程で、希望とは違う部署に於いて著しく高い能力を発揮された場合などは相談させて下さい。
また、一つの部署に配属となった場合でも、他の部署への応援は日常的に発生します。
原則残業ゼロを目指していますので、カバーし合って日々の仕事をこなして行きます。
場合によっては別会社の応援に一日という事も有ります。」
「会社間、部署間の垣根が低いという事ですね。」
「はいそうです。」
「給与の所に真面目に働いた場合の目安と有りますが、やはり色々査定とか厳しいのでしょうか。」
「うちの社長は寛大ですが、さすがにまともに働かない人には甘く有りません。
でも今までグループ企業内で真面目でないと判定された人は僅かです。
そんな人の中にはグループ内転職制度を利用して、別の会社で真面目に頑張っている人もいます。
またカウンセリングを受けてから結局治療を受けている人もいます。
桜根傘下に入ってから、業績を上げてる企業が多いのは社員のモチベーションがぐっと上がったからです、今いる社員は真面目な人ばかりなんです。」

「自分は長野から来ました、将来的に自分の地元で桜根傘下の会社を立ち上げる事は可能でしょうか。」
「えっと永田さんは希望部署は特になしなんですね、それでしたらここは桜根本社とさせて頂きます。
詳しくは安藤社長の個人面接でお願いします。」
「は、はい。」
「他に特殊な事情をお持ちの方はおられますか?」
「今日は一人で来たのですが、足に障害の有る弟がいまして障害者雇用は如何でしょうか?
出来れば兄弟同じ職場だと良いのですが。」
「では、弟さんを交えて私が面接させて頂きます、後で日程の調整をさせて下さい。」
「お願いします。」

しばらく質疑応答が続いた後。

「他には…、なければこの後の予定ですが、今日お時間の有る方は桜根の社内見学をして頂きます。
社員募集をしていない部署でも協力要請の上がってきている所が有りますので、そんな所も紹介させて下さい。

お二方以外の面接は後日となります、希望の会社へ直接行って頂くことになります。
日程調整はこちらの伊藤と相談して下さい。
また今日お渡しした社員ナンバーは桜根グループだけでなく、チーム桜の会員番号としても有効です。
詳しくは資料で確認お願いします。
今回入社をとりやめる方のデータは希望により残す事も消去する事も可能ですので必ず希望を伝えて下さい。
データを残された方には、新たな求人情報を送らせて頂く事も可能です。
その場合希望職種、条件などを追加して下されば幸いです。

山下さんと、え~っと平岩さんですね、お二方はこちらへお願いします。
後の方は伊藤の指示でお願いします。」

山上は永田と平岩を連れて自分のデスクへ、安藤と連絡を取った後しばらく二人と雑談。
安藤から連絡が入り永田を応接室へ案内した後、山上は平岩と。

「弟さんは車椅子生活なんですか?」
「はい、大学生の頃事故で。」
「特技とかは有りますか?」
「パソコン関連は有る程度出来ます、必要な技能が有れば今から習得するぐらいの能力は自分も弟も持っています。」
「二人は仕事の間ずっと一緒じゃないとまずいですか?」
「弟は前の会社でずいぶん嫌な思いをしたみたいなんです。
仕事に慣れて問題なければ、一人でも大丈夫だと思うのですが。」
「経理事務、ウエブサイトの構築、通販サイトの管理とかの仕事は有るのですが。」
「でも、募集にはなかったですよね、通販サイトは経験ないですけど、どれもやってみたいことです。」
「桜根は日々拡大していますからね、それと職種上グループ内転職で埋める案も有りまして。
それと他の作業をお願いする事も有ります。」
「先ほどのお話しですね、自分は喜んでやりますよ、ただ弟は何でもとは。」
「それは大丈夫です、まずは弟さんと面接をして問題が無ければ、桜根本社で研修を始める事にしましょう。
次の面接は何時がよろしいですか?」
「何時でも構いません、ただ早いと気持ち的に楽ですが。」
「では明日の十時にここで如何でしょうか?」
「はい大丈夫です、よろしくお願いします。」
「ではお時間が有りましたら、社内見学に合流して下さい。
あっと、弟さんのデータをメールで送って頂けますか。」
「はい、今から連絡を入れてすぐ送らせます、準備はして有りますので。」
「ではこちらのアドレスへお願いします、私へ直となりますので。」
「分かりました。」
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