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架空サークル-89 [俺達の挑戦-02]

三月始め、二つの会社が正式に立ち上がった。
一つはテレビ番組制作をメインとする、株式会社桜総合学園制作部、総合学園としたのは学生達の実習や研修を積極的に受け入れて行くという思惑から。
他にも色々な案が出たが、最後は遠藤が決めた。
もう一つはその持ち株会社となる、株式会社桜根だ。

株式会社桜根は桜総合学園制作部のサポートに取り組む学生達の間でも話題となる。

「桜根の社員はサポート企業からの出向が中心になるんだよな。」
「営業部ががんばってくれた成果だと思うよ、企業サイドの組織をイメージして動いてなかったらもっと時間がかかっただろう。」
「学生の参加は二十人ぐらいって、何か狭き門って聞いたけど。」
「優秀な奴ばかりさ、将来的に番組制作会社とは全然違う規模を目指してるからな、一般学生の実習とか研修は少し後になるらしい。」
「でもスタート時点での傘下は桜学園と、え~っと中田工業って小さな町工場だけなんだろ。」
「あえてそうしたんだって、その方が発展して行く姿を強調しやすいからって、安藤が言ってた。」
「そうよね、確かにちっこいと応援したくなるし。」
「安藤は社長か…。」
「本人は嫌だったらしいけど、周りは…、サポート企業からの出向の人達、結構やり手が多いらしいんだ、その人達が全力で守るからって説得したそうだよ、安藤リーダーもやはりシンボル的存在だからな。」

「すぐに参加予定企業が発表されるんだよな。」
「伸び悩んでいる会社が三社って聞いたわ、私は研修希望出したけど。」
「俺もさ、卒論のテーマになるかもしれないからね。」
「参加企業は会社情報すべて公開だから…、社長にとって大きな決断だったと思うな、今後の展開は実験的要素も強いし。」
「ええ、それだけにお役に立ちたいと思ってるの。」
「微力ながらもってことだな…。」
「そんな微力でも集まったら大きな力になるってことだろ。」
「ああ、安藤社長が話してた飲食店の…、ほら全く関係ない業種間の交流で客と店に交流があったらって話し、儲かってない店なんて客に受け入れて貰えないない何かが有る訳だから、そこを客観的に指摘する人がいて、それをきちんと理解できる力量が店の側に有ったら、店の売り上げを伸ばす可能性は有るって話してたろ。」
「納得出来る話しだった。」
「でもな、俺たちの組織だけで参加者何人いると思う?」
「日々増えてるし、四月からは学生以外の方とも組んで、さらにだから…。」
「味が悪くても、この店改善しませんかという呼び掛けを公式にしたら、めっちゃ売り上げ伸びるかもしれないだろ。」
「確かに微力が積み上がったら、小さい店なら軽く立て直せそうだな。」
「ただ、ここで店長の資質が問われると思わないか?」
「う~ん、そうだな…、根本的な改善を考えずに組織の力だけを利用しようという輩だったら嫌だな。」
「私達の目指す方向性からぶれないように、見極めはきっちりして行く必要があるわね。」
「でも注目度が高いから、悪い評判もすぐ広まりそうだぞ。」
「あっ、そういう面も有るのか…。」
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