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架空サークル-88 [俺達の挑戦-02]

期末試験を終えた学生の内、プロジェクトリーダーなどの経験者は持ち株会社設立への作業に関わり始めた。
動植物園での活動とはずいぶん違うもののその経験は生きる。

「竹中さん、大学で真面目に学習してきたつもりでも、いざ実際の会社となると難しいですね。」
「それは仕方ないわよ、私だってこんな会社始めてだしね、基本は同じだけど全く同じ会社なんてないでしょ、教育の場では限界があるのよ。
でも、山下君は優秀よ、私も新人教育やること有るけど、全然だめな子もいるからね。」
「有難う御座います、本当なら大学卒業して就職してから経験するような事を経験させて頂けて、親切に指導して下さるし。」
「あっれ~、私は厳しくやってるつもりだったのに、まだ甘かったかな。」
「がんがんしごいて下さい。」
「その気持ちが有るから良いのよね、じゃあ会社見学の方の作業を進めてくれるかしら、人選とかは山下君の方が適任だと思うからね、私は取引先関係を調べてみるから。」
「了解です、決まったら報告でよろしいですか。」
「問題が有ったらでいいわ、問題なく会社見学ができれば良いのだからね、私も問題が見つからなかったら報告しないからね。」
「はい…。」

「え~っと…、あっ調度良かった、安藤リーダーよろしいですか。」
「竹中さんどうかされましたか?」
「報告は最低限でという取り決め、もう発表した方が良さそうです。
これだけ優秀な学生が揃っているとは思ってなくて、失礼しました。」
「はい、う~ん、この時間なら…、早瀬さん、一度作業を中断して貰って軽くミーティングしたいけど大丈夫かな。」
「えっと…、十分後でよろしいですか。」
「お願いします。」

早瀬佐紀がアナウンス。
しばらくして安藤隆二中心に会議が始まる。
学生と企業からの応援がほぼ半々、総勢四十名程。

「一部の方には伝わっている事ですが、再確認の意味合いも有りますのでお願いします。
ここで作業して下さっている方々は、作業を分担して進めています。
その過程で報告、連絡ということが必要になってくるとは思いますが、それを最低限にして欲しいと思っています。
はい、斉木さん、どうぞ。」
「すいません、報告して自分の作業に問題ないかチェックして貰わなくて良いという事ですか。」
「そうです、ある意味厳しいことですが、その分自分で考え、自分に責任を持って欲しいです。
代わりに、斉木さんに仕事を任せた人は、報告を受けたり連絡を受けたりといった事で無駄な時間を取られることが無くなります。
ここにいる皆さんを信じていますから、問題なく準備作業が進んでいますという事を時間を掛けて報告して貰う必要は有りません。
もちろん重要な事や問題点が見つかったということは、すぐ教えて欲しいです。」
「もし失敗したらどうでしょう。」
「まだ規模も小さいですから、逆に今のうちに失敗しておいて欲しいと思っています。
今ならフォローもし易いですからね。
全て自分の判断で勝手に動いて良い訳では有りませんからバランスを考えて下さい。
無理だと感じたら下手に粘らずに、すぐ報告して欲しいです。
これからのチャレンジには、人として器の大きな人がリードして行く必要が有ると考えています。
自分の判断に自信が持てない人がリーダーでは、当然弱い組織になってしまうでしょうから。
応援の方々も、こういった前提の下での指導よろしくお願いします。
自分からは以上ですが…、井上さん、どうぞ。」
「これから参加してくる後輩達に対しても同様ですか?」
「人物の見極めをお願いします。
仕事を任せてみて大丈夫だと感じたら、任せて行きましょう。
まずは記録として残す、情報を公開する準備といった事は極力後輩に任せるシステムを構築して欲しいです、ここのメンバーでなくても出来る事は極力後輩に任せて、その仕事ぶりを見極めてから少しずつ、難しい作業も経験して貰うというステップを踏んで貰えば良いかと。
その過程で、あまりにも不安を感じさせる学生は、ここでの実習、研修には向かないかもしれません。」
「了解です、ついでと言っては何ですが、今後の展開で自分達が知っても問題ないことが有れば教えて頂けませんか。」
「ここにいる全員、誓約書を出して貰ってることと守秘義務の事を思い出しておいて欲しいかな。
直接的には今関係する予定の企業で上場してる所はないけど、取引先とかだと違ってくるからね。
では…。」
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