SSブログ

架空サークル-53 [動植物園再生-06]

フラッシュモブには多くの学生が色々な形で参加した。
カメラを持って撮影していた者もいる、プロの指導を受けて。
そんな学生カメラマンの姿をテレビ局のカメラが追っていたりもする。
今回の映像は一つの局が代表して撮影するということになった。
多くのカメラが入り過ぎてはフラッシュモブの面白さが損なわれるという気遣いと、局を越えての連携という放送局にとって実験的な取り組みという意味合いもある。

翌日には地元放送局が様々な形で紹介した。
フラッシュモブだけでなく、似顔絵プロジェクト、音楽演奏、パフォーマンス、そして表向きは静かに進行しているプロジェクトも含めてだ。

さよりの友人、佐伯明香はそれを両親と見ていた。

「明香は出てないのか?」
「父さん、私は裏方よ、今回は友達が出てるからね…、やった! 裕子目立ってる! やっぱメインは裕子と桜子だ。」
「ほんと素敵ね、これだけのレベルなら…、明香、行けるわよ。」
「でしょ、母さん、嬉しい、あの子たちほんとに頑張ってたの、裕子なんてハードル高すぎって落ち込むことも有ったの、皆で励ましたの。」
「衣装も良いわね。」
「デザインしたのも、縫ったのも学生…、あっ、ちゃんとそれも伝えてくれてる。」
「これは応援したくなるなあ…。」
「そういう演出なんだけどね、遠藤先輩がすごくこだわってた、単なる紹介ではなく見てる人が応援したくなるのを見せられなかったら、俺たちに明日はないって。」
「あら? 気障キャラって佐々木さんじゃなかったかしら?」
「はは、遠藤先輩にも伝染っていうか…、何か企んでるみたいね。」
「あっ、工学部が出てきたぞ。」
「当たり前でしょ父さん、地元の活性化を考えたら絶対外せないわ。」
「うん、まあな…、うちの会社でも明香たちの活動をバックアップって話しを聞かされて、いまいち、ピンと来なかったけど…。」
「父さんは佐々木先輩の企画書見てないの?」
「いや。」
「もうすぐ誰にでも読みやすい形の本になるから微妙だけど、コピー持ってるから読んでみる? いいえ、読んで下さい。」
「わ、分かったよ。」
「今、取ってくるね。」

「な、明香ってあんな子だったか?」
「何時までも子どもじゃないですよ、しかも佐々木さんの企画書は、もう伝説になりつつあるんです。」
「えっ? どういうことなんだ?」
「まあ、読んでみて下さいな。」


花ワールド-hirata
ぷちぎふと工房 コンサルジュ
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0