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架空サークル-52 [動植物園再生-06]

準が似顔絵を描き始めた頃。
動物園の正門に現れたのはフルートを手にした一人の女性。
軽やかにフルートを吹きながら園内を颯爽と歩いて行く。
楽しげな演奏だ。
来場者の中には後をついていく者も。
その数は徐々に増えていく。
そこにさりげなくバイオリンが加わる。
さらにクラリネット…。
次々と増えて行く演奏者。
曲も変わって行くがメドレーになっていて途切れない。

フルートが立ち止まるとそれに合わせて全員が止まる。
そしてコントラバスも登場。
と、観客の中から出てきた男女が踊り出す。
演奏者も増えるが、さりげなく抜ける者もいる。
気が付けば管楽器がずいぶん増えている。
しばらくして曲は子どもたちが皆知ってる踊れるものに。
そこに現れたダンサー達は、体を動かし始めた子達を前に導き一緒に踊る。
そこから曲調が変わると、彼らは子どもたちの手を引いて観客の中に消える。
別のダンサーが登場…。
しばらくすると演奏者、ダンサーの人数が減り始める。
出番が終わると、何事もなかったかの様に場から離れて行く演者達。
最後に残ったのは一人のバイオリニストと一人のパフォーマー。
バイオリンの調べに合わせ無言で演じているのは恋する乙女。
恋心とその切なさが伝わる。
結局何かを決意したした乙女は鞄に色々詰め込んで退場。
バイオリニストは最後に…、ありったけの思いを込めた演奏をしたかと思うと、バイオリンをケースに入れて退場。
次は? という観客の期待を裏切って終わる。
えっ、今の何だったの?

フラッシュモブは大成功と言える。
偶然その場に居合わせた者たちは感動しつつ発信していた。
『初めてフラッシュモブ見た、動物園、楽しかった。』
『生演奏良かった…。』
『パフォーマンスやってた子綺麗、バイオリンの子もかわいかった。』
『涙が出る程素敵だった…。』

などなど。


花ワールド-hirata
ぷちぎふと工房 コンサルジュ
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