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架空サークル-15 [動植物園再生-02]

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話しは続いている。
学長が問う。

「ね、売店再生の概略は先ほど教えていただいたけど、具体的なプランはどうなの?」
それに応える佐々木。
「はい、ミニ学園祭をやりながら自分たちの本気を見せて行きたいと考えています。」
「おっ、本気なんだ。」
「お遊びじゃないんだぞって感じです。
まず、建物の補修はどうやら小規模で済みそうで、塗装がメインになりそうです。
デザイン系の連中が激論を戦わせています。」
「なるほど、デザインやってる子なら自分の作品残したいでしょうね。」
「ただ、難しいのがこの店の場所なんです。」
「場所?」
「はい、動物園と植物園の中間に位置していまして、おしゃれなロ-ズガーデンと幼児向けの遊具が目の前にあるんです。」
「あっ、それは悩みどころね…。」
「自分たちとしては、植物園サイドに売店が見当たらないこともありますし、真面目な取り組みを基礎としたいですから、落ち着いた感じにしたいのですが。」
「あっ、あそこね…、うん分かる、こども動物園があるから幼児向けを置いたのだろうけど、そう言われてみれば遊園地の方がお似合いの施設よね。」
「もちろん子ども対象の企画も行っていくつもりですが、ちょっと…。」
「そうよね…、う~ん、デザインの子たちには…、そうね木の味わいのある…、幼児向けなんてことは一切考えないデザインにって話しておいて。」
「あっ、そうよ子どもたちだって、木のログハウス的なのって嫌いじゃないと思うわ」
口を挟んだのはさより。
「幼児向けだからってカラフルな配色にすれば良いとも思えません。」
と、春山愛華。
「でしょ、ちょっと関係者に話してみるから…、でも君たちに言われるまで気付かなかったな。」
「先生、サークルのメンバーがあの場に集まったことがあるのですが、その時は皆が口々に言ってました。」
「全員の意見がほぼ一致していたし。」
「踏み込んだ意見としては、公園全体のデザインに対して問題視するものも有ります。」
「公園そのものが昔作られたものをベースにして改修されてきた背景も有りますが…、予算の関係があるとは言え…。」
「はは、私に任せなさ~い、とまではいかないけど、ちょっとがんばってみるかな。
君たちの様な視点と無縁の状態で運営されてきた面もあるみたいね。」
「えっ? 学長…、がんばるって…。」
「あら、私ががんばるってことはそれなりにね…、あっ、さよりは私をなめてたのね、学長やってこうと思ったらそれなりの人脈、押しの強さとかないと…、さより、伝授しようか?」
「ふふ、間に合ってま~す。」
「そんな逃げ腰じゃ…、春山さんどう?」
「えっ? わ、私は…、え~と…。」
「じ、自分にご伝授、ね…、願えないでしょうか…。」
「中山君か、まあ考えとくわ。」
「残念ね中山先輩。」
「えっ? さよりさん?」
「考えとくって、考えませんの社交辞令的表現らしいわよ。」
「はは、何かすっきりしました、先生、今の状態を受け入れての活動しか考えていませんでしたけど、我々からも疑問点をもっと投げかけて良いんですよね。」
「佐々木君、当たり前でしょ、あなたたちが今ある物を検証して次への形を作って行くの。
その為の、そう、私たちはそのお手伝いは出来るけど、ほんとに進めて行くのはあなたたちなのよ。」


花ワールド-hirata
ぷちぎふと工房 コンサルジュ
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