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架空サークル-16 [動植物園再生-02]

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居酒屋からの帰り道、さすがに学長との席で泥酔する者はいなかった。
タクシーに乗り込んだ学長を見送った後。

「そう言えばさ。」
「中山、どうした?」
「俺たちの大学の学長って誰だっけ?」
「はは、まあその気持ち分かるよ、うちの学長とはまだ話したことないからな。」
「な、佐々木、分かるだろ。」
「ははは、中山…、先生に惚れたのか?」
「う~ん、年上の女性も良いもんだ…。」
「おいおい、年上過ぎないか?」
「いいんだよ。」
「でも、中山先輩より佐々木先輩の方が、学長の…。」
「たく、真面目なふりしておいしいとこ持ってくんだよな、佐々木って。」
「ま、待て、俺は年上よりは年下の方が…。」
「ふふ、春山先輩は佐々木先輩より年下なんですか~?」
「えっ? 同学年だけど…。」
「佐々木先輩三月生まれなんですよ。」
「に、西山君、それが何か…?」
「微妙に気になりませんか?」
「えっ…、その…。」

微妙に赤くなった春山、酔いのためかどうか分からないが。
ま、酔っ払いの会話とはこんなものだ。

「でも、今日は良かったね、学長のお話しも、皆の話しも。」
「ですね。」
「学長のお話しを聞いてて、やる気が…、モチベーション上がりました。」

さらっと、話しの流れを変えたのは佐々木光一、この辺りも彼の魅力なんだろうか…。
単に話題を自分からそらしたかっただけなのかもしれないが…。

「私たちの活動って、なんか自由度高くないですか?」
「さよりさんはちゃんと気付いていたんだね。
公的な事に係わっているということを考えたらかなりの自由度だと思うよ。
まあ、君たちの知らない次元で多くの方々が動いて下さってる。
俺たちが動き易い様にってね。」
「あ~、何か佐々木先輩だけが知ってるって感じなんですが…。」
「はは、俺だけじゃないが、色々な方々とお話しさせていただいているからね。
動植物園の職員の方々だけでなく市役所の方、市会議員の方、機会があれば市長ともって話しがあるよ。」
「へ~。」
「桐山学長からのお話しは想定外だったけどね。」
「ですよね、うちの学長ったら…ふふ。」
「それにしても…、さよりさんは桐山学長とずいぶん親しいんだね。」
「ふふ、私たちのサークルがきっかけなんです。」
「えっ?」
「うちは大学を通してサークル登録という形だったから、申し込んだらすぐ学長の耳に入る様になってたみたいなんです。」
「確かに、どれぐらいの学生が、とか話しておられたな。」
「すぐ学長室へ呼び出された時は緊張しました。
何の話しか前もって教えて貰えなかったのです。
ドキドキしながら戸を叩きました。」
「影で悪いことやってたんじゃないの?」
「中山先輩とは違います。」
「はは。」
「ああいうお方だから、ずいぶん色々な話しをして下さって、私も自分の気持ちをお伝え出来て。
で、その後は、機会あるごとに報告させていただいています。
うちの大学からの参加者が増えるといい、とも話していたんです。」
「なるほど、それですぐ事が運んだのか。」
「ただ…、ふふ。」
「なんか意味深だね。」
「うちは女子しかいないから、たまには男子学生とも話をしてみたいなんてことを、学長おっしゃってまして。」
「で、佐々木か? 俺だって男子学生だぞ。」
「ふふ、中山先輩と佐々木先輩じゃ滲み出てくるものが随分違いますから…。」
「はは、さよりさんは中山に手厳しいな。」
「ちくしょ~、ぐれてやる。」
「すでにぐれてるだろ。」

いじられながらも嬉しそうな中山。
ま、そういうキャラなんだろう。
こんな会話は得てして果てしなく続くものなので、以下略…。


花ワールド-hirata
ぷちぎふと工房 コンサルジュ
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