お話し-01

「ねえ、おにい、何考え込んでるの？」
「ちょっとな。」
「ちょっとなじゃ、分かんないよ。」
「まあ隠し事でもないんだが、ぽてちには少々難しいかも。」
「何か怪しい～。」
「いや、怪しげなことでもないんだが。」
「だったら、教えてくれてもいいじゃん。」
「う～ん、少しだけだぞ。」
「うん。」
「そうだな…、例えば…。」

『ぽてち、のどが渇いたろ、水でも飲むか？』
『うん。』
『あっ、そう言えばたこ焼きがあった食べるか？』
『うんうん！』

「何が言いたいの？」
「一度目の『うん。』も、二度目の『うんうん！』も、飲むか？　食べるか？　という質問に対して肯定、そうしたいという返事だろ。」
「そうだね…、でもちょっと違う…。」
「うんを一つ増やして『。』を『！』に変えただけなんだけどな。」
「そう言われてしまうと…、少し不思議な感じがするね。」
「文字による表現が上手な人がプロなんだろうなって思ってね。」
「そっか、おにいはだめだめだから…。」
「は、はっきり言うんじゃない！」
「へへ、でもそう言えば、おにい…、最近お話し書いてないね。」
「ああ、長いのは生活が変化すると書き続けられなくなるから…、下手なりに短編を書いてみたいとは思っているんだけど。」
「途中で終わってるお話しの続きは書かないの？」
「年単位で間が空いてしまったからな…。」
「そんなの関係ないんじゃない？」
「いや、勢いがないと書けないし、今まで書いたのは、大まかな構想だけで書き始めたのが多いし…、現実逃避的に想像して書くのが楽しくて書いてたという事情もあるんだ。」
「ふ～ん。」
「う～ん、ぽてちと話してたら、もう少し振り返りながら考えてみたくなったよ。」
「で？」
「たぶん、つづく…ってことだな。」



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