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地震-1 [権じいの村-9]

「あっ、地震だ!」
「大きいぞ!」
「みんな気をつけろ!」
「あ~、こわい!」
「あわてるな!」
「まずは、自分の身を守れよ!」
「高橋くん~!」
「裕美! すぐ治まるから落ち着け!」

「ふう、大きな地震だったな。」
「朝っぱらからまいったぜ。」
「こわかった~。」
「おい、裕美、何時まで高橋に抱きついているつもりだ?」
「えっ、あっ、その…。」
「そんなことより、被害、どうなんだろう?」
「そうだな、みんな余震に気を付けながら本部の被害状況確認を頼む。」
「自転車部隊は村内の見回りに出る用意を始めてくれるか。
地図はここにあるから。」
「緊急連絡システムの方はどう?」
「問題なしって連絡が入り始めてます。」
「テレビのニュースは。」
「震度6強、さすがにまだ被害情報は入ってないわね。」
「津波の心配はありませんって。」
「そうか、ってここには関係ないじゃん。」
「あっ、一軒レッドシグナルが入りました。」
「テレビ電話で確認できるかな。」
「はい。」

「状況は?」
「落ちてきた物が当たって肩が痛む、でも重傷ではないかも。」
「独りでは不安もあるだろうから、まずは本部まで来ていただこう。
重傷患者がでたらそちらを優先しなくちゃいけないからな。」
「じゃあ俺が行ってくるよ。」
「ああ、道路の状況も分からないから慎重にな、被害に気付いたら後で報告頼む。」
「オッケー、向こうに着いたら連絡入れるよ。」
「ああ。」

「孝雄さんから連絡が入って近所で人的な被害はないとのことです。
ただ結構、物が散乱してるお宅もあるとか。」
「後片付けが大変そうだな。」

「民泊体験中の学生から連絡が入りました!
隣の家のおじいさんが倒れているそうです、意識がないそうです!」
「AEDを持って緊急出動だ、え~と今日の医学部生は小春ばあちゃんの所だ。」
「すぐ連絡を取って向かいます。」
「診療所にも連絡を入れておいて。
往診頼めるといいけど。」
「他の地区でけが人とか出てると難しいかもしれませんね。」
「うん。」

「下から連絡が入りました。
車が必要になるだろうから、下の駐車場の車を何台かこちらに上げるそうです。
道路に被害がないか確認しながらだそうです。
意識不明の患者がいるということも伝えておきました。」

「家屋倒壊一件、住人の安否は確認できてないと源九朗さんから入りました。」
「たぶん、大造じいさんのとこだな、地震がなくても倒れそうな家だったから。」
「じゃあ俺行ってこようか。」
「ああ伊藤、頼む…、携帯大丈夫かな。」
「だめだったら源九朗さんとこで電話借りるよ。」
「了解、ただ電話が今のまま使えていればいいけど…。」
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