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地震-2 [権じいの村-9]

「源九朗さん、遅くなりました、大造じいさんどうですか?」
「声をかけてるんだが返事がないんだ。」
「これじゃあ、どこから手を付けていいか分かりませんね。」
「下手に触るとさらに崩れそうだからな、大造じいさんには直した方がいいって言ってたんだけど、頑固者だからな…。」
「そうですか…、本部に連絡入れます。」

「伊藤です、大造じいさんとこの状況報告します。」
「はい、どうぞ。」
「ほぼ全壊状態で、呼びかけても応答が有りません。
下手に手をつけるとさらに崩れそうな状況です。
ちなみに、ここまでの道路は特に問題ありませんでした。」
「了解しました。」

「どうする?」
「本部の判断待ちですが、それまで大造じいさんを探してみます。」
「どうやって?」
「これを入れてみます。」
「先端が光るのか。」
「はい、で、小型カメラが付いていますから、中の様子が分かります。
この時間だと、どこに居る可能性が高いですか?」
「そうだな、居間か…、この辺りだよ。」
「分かりました。」

「あなた、会社の方からお電話が入ってますよ。」
「おう、今行く。」

「どうだった?」
「見つかりました。
今、映像を本部に送ったところです。」
「そうか、命の方はどうだろう?」
「微妙に呼吸してる気がするのですが…。」
「それにしてもこれじゃあな…、下でも色々被害が出てるそうだよ。」
「そうですか…、もう寒さが本番になるところなのに…。」

「本部からの連絡は…、あれ、着信があったみたいだけど呼び出しも鳴らなかったな…。
源九朗さん、お電話お借りできますか?」
「ああ、もちろん良いよ、ここも携帯使える様にしてもらえたけど、この大地震じゃ回線パンク状態だろうからな。」

「伊藤です、携帯では連絡が取りづらくなってきたみたいです。」
「了解です、先程連絡しようとしたことは、村では人的被害はあまり出てないので、そちらに人を多めに送ることにしました。
すでに出発しています。」
「はい、了解しました、どこから手を付けるか検討を続けます。」
「道具も色々持って行きました。」
「はい。」
「それでは救助活動、お願いします。」
「はい了解です。」
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