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山村体験-7 [権じいの村-5]

「西川さん、吉田くん、私はここで暮らす決心をしたよ。」
「高柳さん、ずっとですか?」
「ああ、引っ越すにしても近隣の村にするつもりだよ。」
「じゃあ、しばらくは三人で力を合わせてってことになるんだね。」
「ああ、よろしくな。」
「はい、こちらこそです。
で、俺からは、お二人にお願いが有るんだけど。」
「何?」
「明日、学生を一人泊めたいんだけどさ、どうかな?」
「あっ、通いの子だね。」
「はい、白川先生の本を読んでいたりして、俺の知らないことも色々知ってて、本部に泊まるのは今夜だけなんだって、だったら、ここ余裕あるからさ…。」
「私は構わないけど。」
「ああ、問題ないよ。」
「じゃあ明日伝えて…、そうだ本部にも連絡しておいた方がいいのかな。
担当は誰だろう?」
「電話に出た人に伝えてもらえば良いんじゃないか。」
「そうだね、そう言えば、彼、今日だけは本部だって言ってたから、本人にも伝えておいてもらおうかな。」

「吉田くんちょっと待って。」
「はい?」
「ここは五人分の寝具があるから、二人でも良いんじゃないか、ねえ西川さん。」
「そうだな、学生たちが不便な思いしてるのに…、明日だけじゃなくても。」
「とりあえず明日は二人泊めても良いって連絡してよ。」
「はい。」

「私はね、この二日間、村の人とも、そう、農村体験なんです、なんてことも話したりしたんだ。
そしたらね、一度泊まりに来て村の本当の暮らしぶりも体験していったらいい、なんてお誘いも受けてね。」
「学生たちが良いイメージを持たれている証拠だな。」
「はい、だから私が泊めていただく日は、ここには学生を三人泊めることも可能だと思って。」
「まあ、西川さんのいびきに耐えれる子に限るけどね~。」
「ははは。」

「布団があったら十人でも余裕だな、ここ。」
「だよね~、俺なんか漫喫で一泊なんてよくやってたから、すごく贅沢な気分ですよ、西川さん。」
「ここはテレビぐらいしかないけど、君らぐらいの歳だと刺激が少なすぎるとかないの?」
「まぁね、でも仲間がいるからさ、ちょっと年寄りだけど。」
「だから、年寄り扱いすなって!」
「はは。」
「そうだ、派遣先で知り合った連中に声をかけてみるのも有りじゃないのかな、体験してみないかって。」
「うん、大学からの便に便乗させてもらって、ここに泊めて体験してもらえばいい、私たちで色々フォローできるだろうし。」
「明日本部で色々相談してくるよ。」
「りょ~かいしました~、高柳先輩!」
「おいおい、私は先輩か?」
「ははは。」



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