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山村体験-1 [権じいの村-5]

「へ~、結構きれいに仕上がったわね、慶次、しばらく誰も住んでなかった家には見えないわ。」
「ああ、学生たちもがんばったし、下の町の大工さんにも手伝っていただいたから。」
「学生たちは全部自分たちだけでやりたいって言ってたのよね。」
「うん、まぁ、その気が有れば再生できそうな家屋はまだ有るし、次は新築だって有りだからって納得してもらった訳だけど…。
でも、彼ら、プロの技術を見せてもらったって、喜んでいたよ。
大学のキャンパスから出ることで、初めて学べることもあるのさ。」
「あ~、慶次ったらそこまで考えていたの?」
「まあな、学生たちには色々な人と接して、色々学んで欲しいからな。
時間的な問題もあったし…。」
「あっ、荷物が来たみたい。」

「みんな、お疲れさま。」
「お疲れさまです。」
「慶次さん、今から搬入作業ですから、ちょっとどいてて下さいね。」
「俺も手伝うよ。」
「だめですよ、これもいかに効率良く搬入するかの実証実験ですし…、どう考えても慶次さんはじゃまですから。」
「はは、じゃまか…。」

「みんな、準備はいいか?」
「オッケ~。」
「時間は計るけど無理はするなよ、怪我とかしたらマイナスポイント大きいからな。」
「おう。」
「じゃあ、スタート!」

「は、早いな…。」
「ふふ、確かに慶次が手伝ったらじゃまにしかならなかったでしょうね。」

「搬入作業終了しました。」
「早かったね。」
「もちろんです、今回は引越しのエキスパートが揃いましたから。」
「そうだったんだ…、そう言えば実証実験って言ってたね。」
「はい、ぼくら体力系なんで引越しのバイトとか良くやるんですけど、現場担当者によって作業効率がずいぶん違ってまして。」
「そういうものなんだ。」
「ひどい時はかなりのムダも…、でも、ぼくらは下で動くだけだから何も言えないんです。」
「うん。」
「で、今回は、言えなくて溜まっていたものをみんなで出し合って、作戦を練ってから作業しようということで。」
「はは、どうだった、ストレスは発散できた?」
「はい、短時間できちんと作業が終了しましたから、気持ちいいです。」
「そうか…、やっぱりペースの遅い人とかが作業に加わっているとやりにくいんだね。」
「ええ、この人がいなかったら作業がもっと早く終わったのにって経験もあります。」
「なるほど、もし作業に障害のある人が加わったとしたらどうする?」
「う~ん、そうですね…、自分がリーダーであれば梱包、開梱の作業をやってもらいます。
どんな障害かにもよりますけど…。」
「適材適所ってことだね、有難う、参考になったよ。」
「いえ…。」
「今夜は酒も肉も用意してもらってるからな。」
「宴会ですね。」
「やった~。」
「あっ、次の部隊がきましたから、俺たちはそろそろ…。」
「ああ、お疲れさま。」




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