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猫洞堂~由香里-4 [猫洞堂]

今日は色々買わなくちゃいけないから、ちょっと遠くまでのお出かけになるの。
坂の下のスーパーはそんなに大きくないし、今夜は食事をしながらの重役会議があるから…。
重役さんたちは結構注文が多いのよ。
あれも買わなくちゃいけないしね。
おや、電話で頼んでおいた空猫タクシー、ちょうど着たところね。

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「今日は虎姫姉さんなんだ、よろしくお願いね。」
「あいよ~、おや由香里さん今日は一段とお綺麗で…、白のワンピお似合いでやんすよ。」
「ふふ、ありがとう、今日はあれを買わなくちゃいけないから、まずはあそこへお願いね。」
「がってんです。」

「そう言えば虎姫姉さん、息子さん、最近はどうなの?」
「へへ、色々手を焼かせてくれたんでやんすけどね、結局はしばらく猫洞堂でお世話になることになりやして。」
「そうなの。」
「由香里さんにもご迷惑をお掛けすることになるかもしれませんから、よろしくお願いいたしやんす。」
「ふふ、大丈夫よ任せといて。」

「はい、木天堂に着きやした、お供するでやんす。」
「何時もありがとうね。」

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木天堂の周りは不思議なところなの。
なんかのんびりしててね、家の前でお昼寝中って人もいたりするのよ。
建物は木造ばかり、自動車もめったに通らなくて、そうね時間がゆっくり流れてるって感じかな。
ここへ来る途中は必ず霧の中を通るの、でね猫洞堂からは5分もかからないけど遠くに来た気がするのよ。
そんな話を虎姫姉さんに話したら、近いようで遠いところ、遠いようで近いところでやんす、って解り易いような訳の解かんないような答えが返ってきたわ。
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