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演奏旅行-13 [Lento 11,演奏旅行]

パリではテレビCMが流れていないこともあって和音もゆっくり観光を楽しめた。
通訳はパリ滞在に合わせてフランス語の堪能なLentoメンバーが日本から。

パリでは現地での知名度が低いこともあって演奏会を企画した段階ではチケットが売れるかどうか微妙な感じだった。
もっとも日本からのツアーにこの演奏会を組み込んでいたから、空席ばかりという心配はしていなかったのだが。
実際はすでにフランスへも和音達の情報が色々流れてきているようで簡単に満席となった。
もちろんTeam Harmonieの力もあるが、それだけではないようだ。
ヨーロッパの音楽家達の間でも和音のことはずいぶん広まっているようで、チケット売り切れ後も著名な音楽家から、立ち見でも良いからとの問い合わせが幾つかあった。
今後のこともあるから、それにはLentoスタッフのために用意してあった席を、彼らのCDと直筆サインとの交換で譲ることに。
Lentoスタッフ達は始めから立ち見になるかもと聞かされていたから、CDと直筆サインを貰って喜んでいた。

このパリでの演奏会ではフォルテピアノ、ハンマークラヴィーアとかハンマーフリューゲルとも呼ばれている古いピアノも使われた。
シューマンが生きていた頃の楽器で子どもの情景を奏でる和音。
音色自体が今のピアノよりとても柔らかく暖かい。
それを和音が弾けば…、当然…、観客達は夢見心地…。

演奏会が終わって、和音。
「あ~ん、このハンマーフリューゲルとお別れするのがつらいわ。」
「すてきな音色ね、こんな優しいピアノがあったなんて初めて知ったわ。」
と、真子。
「でも今日でお別れなのよ。」
「いっそ買っちゃえば?」
「えっ?」
「一億二億でも和音のおこづかいで買えるんじゃない。」
「う~ん…。」
祥子が。
「なんなら交渉してみようか?」
「う~ん…。」
茂根が。
「普段俺のアトリエに置いておくということで買えたら買おうよ。」
「CD出せばすぐ元が取れるわよ。」と、裕子。
どうやら、花組風組のメンバー達も気に入って、日本でもこのハンマーフリューゲルの演奏を聴きたいようだ。

結局交渉の結果必ずこのハンマーフリューゲルを演奏してのCDを出すことの他、幾つかの条件付きで和音の物となった。
所有者も和音のファンになっていた訳で、金額も妥当なところでおさまった。


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