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ハーモニー-14 [Lento 9,ハーモニー]

Team Harmonieのメンバー達が日本を離れる頃には、和音達の演奏旅行の日程などが色々確定していた。
日本とドイツやオーストリアと離れていても、メールや電話で充分仕事ができる、時差の関係で日本にいるTeam Harmonieのメンバー達は夕方からドイツと連絡を取り合う、重要なことに関しては帰国後に再確認の予定だ。

Team Harmonie帰国前の日曜夜、LentoのスタッフパーティーはTeam Harmonieメンバー達とのお別れ会となった。
Lentoスタッフの中には通訳を手伝った者もいる。
また大学で学習しているドイツ語の実践練習ということで積極的にコミュニケーションを取っていたスタッフもいる。
Team Harmonieのメンバーの中には日本語に挑戦し始めた者もいる。
あちこちこちで、たどたどしい会話も聞かれる中、色々な演奏が流れる。
Team Harmoniのメンバーも演奏を披露したりしている。
そして歌が始まった。
生ビールも振舞われていて、そのジョッキを片手に乾杯の歌などが陽気に歌われる。
楽譜を手に歌っている者もいる。
これは桜子の提案で、和音 with Harmony Worksが集まった時に皆で歌える曲があったら楽しい、下手でもいいから、ということでドイツの曲、日本の曲の楽譜が、しばらく前に幾つか配られた。
Lentoスタッフの中には歌心のある者も多いから、即席ながら心地よい歌の輪が広がっていく。

ひとしきり皆で歌った所で和音が登場。
日本から二人、ドイツから二人というカルテットの伴奏を始める。
四人の歌声を和音のピアノが優しく包み込む。
歌い終わったドイツ人のソプラノと日本人のアルトは感極まって涙ぐみながら抱き合う。
回数は多くはなかったが、この日のために練習をしていたのだ。

「和音効果って思った以上だわ、桜子。」
「そういうことなのね…、祥子、彼らの実力についてはどう評価してたの?。」
「彼らの力は、私同様セミプロ止まりだと思っていたの、でも今の演奏は和音に支えられて実力を出し切っていたわ、自分達でもそれに気づいたのでしょうね。」
「ベースもさすがよね、日本人であれだけのベースはいないわよ。」
「テノールの飯塚くんがまとめ役になって実現したグループなんだけどね。」
よく短期間でここまで合わせられたわね。」
「飯塚くんは私程の長さではないけどドイツで暮らしていたのよ。」
「帰る前に録音かな?」
「そうね、次のテレビ放送の時にでも紹介してみる価値はありそうね。」
「それにしても和音の伴奏って…、歌とのバランスがいいわね。」
「うん…、そうだ、あの二人帰さずに次ぎの大ホールの舞台を経験させてみない?」
「良いかも、力のある若手を育てるという白川さんの考えにも合っていると思うわ。」
「じゃあ桜子は連中に説明しといて、まずは飯塚くんに話せばいいからね、私は他の調整を始めるから。」
「おっけい、直美達にも伝えておくわ。」
「そうね、衣装も、もう少しまとまりのあるのを用意してあげないとね。」
「今ならイメージしやすいでしょうね、あっ直美。」
「ねえ、あの子達さ、次の舞台に上げない?」
「はは、考えることは一緒なのね。」
「えっ? こっちでも話が進んでいたの?」
「もちろんよ。」
「向こうでも盛り上がってるわよ、祥子。」
「じゃあ調整を始めてくるわ。」
「私達も作業を始めるわね。」

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アバウトミー


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