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先崎浩士-5 [Lento 5,秋]

先崎のLento三回目の演奏はランチタイム前だった。
もう何の迷いもない、コンクールの時と同じ気持ちで精一杯の演奏をしようと、ただしホールの女の子たちが動き易いようにとの計算も入れながらの演奏になった。

この時間帯、派手な演奏は必要ではない。
心を込めた演奏だけあればいい。
すぐに女の子たちの動きが彼のバイオリンに同調し始める、同時に客たちの会話も減り始め、新人バイオリニストの演奏に耳を傾け始めた。
客たちも耳の肥えた人が多い、派手な演奏でなくとも新人学生の力に気づいたのだ。
これはホールの女の子たちの動きも微妙に影響している。
演奏がいい時は女の子たちの動きがなめらかで綺麗な絵になりやすい、そんな時は自然と聴いている者の気持ちも演奏に向くということだ。

この演奏のことは、すぐホールスタッフの女の子たちの中で話題となった。
先崎が長身でアイドルとしても通用するレベルの容姿だということもあったが、動き易かったという声が多く聞かれた。
そして、この後、先崎は着実にLentoに溶け込んでいく。
真子が彼の演奏で踊ったり、和音と演奏したりと。
それは真子たちが彼を仲間として認めた証と言えよう。
衣装もオーストリアの民族衣装を着るようになる。
もちろん女の子たちに合わせLentoの絵となるためだ。

そして彼は遊び始める。

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