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振り返りながら-08 [このブログのこと-01]

「このブログでは政治団体が幾つか結成されるけど、それだけ政治に失望してるってことかしら。」
「まあ、そういうことだね。」
「一つ目は『権じいの村』の政治団体宇宙からの新党宇宙かな?」
「そうなるね、でね、権じいの村は島崎藤村の夜明け前を意識していたりするんだ。」
「それはまた大きく出たわね、読んだことないけど文学史では重要視されていて、国語のテストに出た事も有るわ。」
「だよな、私は大人になってから本を読まなくなってしまったのだが、切っ掛けが有って珍しく読んでみた本なんだ。」
「切っ掛け?」
「ああ、中山道の馬籠宿に藤村記念館というのが有ってね、元々岐阜県の東農地方、美濃路から馬籠、妻籠の辺りは好きだったのだけど、初めて藤村記念館に行ってみようと思った時、読んでみたんだ。」
「なんか難しそうな気がするけど。」
「私もまともには読めていないよ、明治期の文章に馴染みが有る訳では無いから適当に読み流した所も少なくない、それでも凄いと思ったんだ。」
「どんなとこが?」
「幕末の話は色々書かれていて、ドラマや漫画、アニメでも取り上げられているだろ、でもほとんどが、京都や江戸と言った大きな動きの有った所が舞台だと思う。
そんな中で藤村は自分の生まれた馬籠を第一の舞台に選んだ、父親をモデルにしたという事も有るのだが、様々な事件が起きた所から遠く離れた地を舞台にして幕末を描いたんだよ。」
「へ~。」
「その頃、馬籠での大きな出来事と言えば、公武合体の一つ、孝明天皇の妹、和宮が将軍家茂に降嫁する時に通ったというぐらいで、まあ行列の規模が半端なかったそうだから、当時としてはとんでもない出来事だったのだろうけど、それぐらいなんだ。」
「和宮降嫁か…。」
「読んでみて、島崎藤村の夜明け前が日本の文学の中で重視されてる事に納得出来た。
でね、藤村記念館へ行った時、読んでおいて良かったと思ったんだ。」
「どうして?」
「登場人物のモデルが藤村の家族だと言う事が有り、記念館の展示内容を理解し易かった。
大した興味の無い人が十分とかで出て来る記念館だけど、そこで随分長い時間を過ごしてしまったよ。」
「本を読んでるかどうかで違うと言う訳なのね。」
「そんな事があって、過疎地をメインの舞台にして、そこから大きくしようと思ったんだ。
まあ、藤村とは天と塵ほどの差だけどね。」
「う~ん、夜明け前か…、読んでみようかな。」
「最近は読み易いのも出てるから、そういうのを選んでも良いと思うよ、ネットの青空文庫なら無料さ。」
「著作権が消滅した作品という事なのね、それなら途中で挫折しても…、う~ん、挫折し易いというのもどうかしら。」
「そんなに固く考える必要はない。
図書館の利用方法に最初の一ページだけ片っ端から読んでみるという方法が有る。
一ページだけ読んだ中で気に入ったのを読み進めれば良いのさ。」
「あっ、そうか、まずは『木曾路はすべて山の中である』の続きを読んでみるね。」
「うん、面白くなかったら、ストレスを感じる前に読むのを止めてしまえば良いんだよ。」



関連
『妻籠宿』と『馬籠宿から』など
https://dustation.blog.ss-blog.jp/archive/c2306012667-1
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