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夏休み-04 [シトワイヤン-08]

市長とのお茶会を終え、直ぐに地元の観光スポットへ向かう。
レギュラー番組の為だ、旅行中は中継での出演。
慌ただしく準備を済ませ、事前に収録してあった市の紹介VTR、市長と自分達とのシーンが流された後。

「梅子姉さん、このスイーツは市長さんのお勧めなんですよ~。」
「愛華、おいしそうね。」
「ふふ、美味しいです、本番が待ち切れなくて味見してしまいました、間違いないです。」
「じゃあ食レポは無しで良いのね。」
「はい、ゆっくり味わって食べます、カメラが有ると落ち着きません。」
「あんた、それで怒られないの?」
「ふふ、見た目だけで美味しさが伝わりますでしょ。」
愛華は笑顔で美味しさを表現。
「まあホントのところは、自分で食べてみないと分からないのよね、愛華と味の好みが同じだと限らないし。」
「え~、本当に美味しいですよ、でも市長さんにはスイーツに関してある苦悩が有るのです、梅子姉さん分かりますか~。」
「食べ過ぎて太ったとか?」
「いえいえ、ご本人はスマートな方です。」
「私に正解出来そうな質問なの?」
「梅子姉さんには無理で~す。」
「ちょっと~、愛華、旅気分で舞い上がってるでしょ、清香と交代しなさい。」
「は~い。」
「清香、愛華は大丈夫?」
「何か楽しいことが有ったみたいです。」
「一応聞いておくけど、市長さんの苦悩って何?」
「娘さんの為にと思ってスイーツを買って帰ると、凄く喜んで貰える日と怒られる日が有るとか、決して市長さんが悪い訳ではないのです。」
「娘さんが体重計を友にした日と、敵とした日の違いでしょ?」
「はい、さすが梅子姉さん、正解です、そして私達は市長さんの友となりまして、その証がこの髪飾りです。」
「似合ってるわよ、それは市長さんが選んで下さったの?」
「はい、今日の衣装に合わせて、でも和装洋装どちらにも合わせ易いです。」
「そうね、伝統工芸なのかしら?」
「はい、昔ながらの技術に新しい感性を取り入れて、市長曰く地味に人気が出てるそうです。」
「それが本当なのかどうか、私達は知る由もないのね…、あら嫌だ、私ったら和馬と仕事する様になって疑い深くなったかしら。」
「和馬は疑わずに、まとめて仕入れて次の訪問地で販売させて頂くことにしたのですよ。
販売担当は芳樹くん、明日は番組の宣伝をしながら売り歩きます。」
「芳樹か、康太が余り出ないから後を狙ってるのね、芳樹、皆が納得するだけ売る事が出来たら、その報告をスタジオでさせて上げるわよ。」
「あざ~っす。」
「もうその気になってる、まあ頑張ってね~。」

時間の関係で俺の出番は無くなったが、清香達が可愛かったので問題ない。
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