SSブログ

三学期-327 [花鈴-33]

「安ければ良いなんて思ってる人は完全に対象外なんだね。」
「質を求める人をメインターゲットに、値切る様な人は相手にしない、受注生産で完成まで待って貰うことになるから量はこなせないかも知れないのよ。」
「薄利多売の真逆なのね、需要はどうなのかしら?」
「そこは微妙なのだけど、農業公園を作って行くのだから可能性は有ると思うの。
 菜園のテーブルやイス、ちょっとした台などは私達に合わせて作って貰った物でしょ。
 孫が世話になってるからとタダだったけど、使い勝手は悪くないよね。」
「言われてみればだな、僕らのサイズに合わせて有るんだ。」
「菜園で使ってる物は商品サンプルとして見て貰える様にするつもりなの。
 注文が入ったら、これらの製作者にも喜んで貰える形で製品の作成に携わって頂けたら素敵だと思わない?」
「お年寄りにやりがいを提供するんだ。」
「そう言うこと、負担にならない様に工夫しながらにね。」
「ここのお年寄り達は姫の家来みたいなものだから、当然利益率が上がるとか?
 家来達に対するご褒美は有るの?」
「家来は言い過ぎだけど、喜んで頂けそうな企画は考えてるわよ。
 老人会のイベントに参加とか。」
「人見知りがちな姫も、もうすっかり老人会のアイドルだものね。
 私もそれなりに貢献して来たつもりなのに、皆さんの態度が違うのよ。
 まあ、それも狙ってたことなのだけど。」
「絵梨、それはどういう事なのだ?」
「少々お転婆な私と大人しくて優しい姫、そんな構図を描いてね。
 それがお年寄り達に与える影響を考えてのことだったのだけど、成功したみたい。」
「私には親しみを込めて乱暴な言葉を投げ掛けてくれる人が、姫には優しく接してくれる。
 皆さん私達の事は孫みたいに考えて下さってるのだけど、色々な孫が居ても良いでしょ?」
「確かに、帰国子女で苦労したLilyのことを気に掛けてる人を見たことが有るよ。」
「う~ん、僕はそんな経験ないな…。」
「大賢者は何を考えてるのか分からなくて、近寄り難いのかもな。」
「ふふ、こんなに分かり易い子はそんなに居ないのにね。」
nice!(11)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 11

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。