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正月-300 [花鈴-30]

「自分は仮設店舗での販売実習で、兎に角安い物を求める人と、値段に関係なく質の良い物を求める人の存在を肌で感じる事が出来、良い経験となりました。
 どちらが、と言うことでは無いのですが…。
 安くても元が貰いものなら利益は大きいとか、質の良い物は高めに価格設定をした方がかえって売れると教えられまして。
 それから調べてみたのですが、物流の現場では他社より安くと競争した挙句、結局は自分達の首を絞める結果となり、労働者を守る法改正後にどうなるのとか…。
 ここは運送会社にとっても利益率の悪い土地だと思うのです。」
「そうなのよね、このエリアへの配達代行会社とかは意識していたのだけど、進めるべきなのかな?」
「姫はどんな形をイメージしておられたのです?」
「複数の宅配業者の下請けとなり、各業者の拠点で集荷してまとめて配達、業者毎に配達するより効率的でしょ、うちは移動販売もしてるから、そのついでにとかね。」
「株式会社花鈴で運送会社を立ち上げますか?
 大儲け出来る会社では無くても色々な意味で社会貢献は出来ると思うのです。」
「そうね、調べて貰ってはいたのだけど、全体で消費する燃料を削減出来、人も。
 大手運送会社にとっても過疎地は利益を出しにくいエリアなのは間違いないのだから。」
「では、我々が姫をお守りして行く組織構築と共に動いても構わないですよね?」
「ええ、会社員となるまでの実習感覚になるのかしら?」
「はい、大学生が主体となる組織ですので。
 株式会社花鈴の子会社として運送会社を設立する方向で進めて宜しいですか?」
「社長に話を通してからになりますが、物流に関する相談もしていましたので問題無いかと。」
「うわ~!」
「真理どうした?」
「小学五年生が本当に会社を動かしてる現場を間近で見ることが出来て感激してるの。
 普通の小学五年生は物流に関する相談なんてしないでしょ。」
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