SSブログ

二学期-262 [花鈴-27]

 確かに緊張感のない男子学生はいるが、厳しくと言われても困る。
 要所要所でお願いして来たことが、私からの指示にと変化して来たのは、彼らから効率を上げる為にも遠慮なく指示して欲しいと乞われたから。
 私が指示する時の言葉遣いは小学生が大学生にお願いするのだから当然丁寧なもの、そこを厳しくと言われても、どう話せば良いのか分からないのだ。
 そんな話を一か月ぶりに来てくれた藤井さんに。

「問題の有る学生がいると感じて、姫に何とかしてくれでは情けないですね。
 今は田中社長が耳にしたと言う程度なのですからスルーして構わないですよ。
 学生から直接姫に話が来たら、自分で解決するよう指示して下さい。」
「ですよね、学生達の中には温度差が有り、何事にも熱心に取り組む人と、緊張感のないマイペースな人が居るのですが、私にはマイペースな人を否定する気が全くないのです。
 マイペースと言う言葉はのんびりした人に使われがちですが、菜園での作業を人の倍ぐらいのペースでこなす人も、これが自分のマイペースだと話しています。
 目に見える手作業はゆっくりでも、頭の中で多くのことを考えている可能性を否定出来ないのです。」
「あっ、そう考えられる姫は素適です。
 脳を使う作業に集中してる時って、傍から見たらぼーっとしてるだけだと思われても仕方ないのですから。」
nice!(8)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 8

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。