SSブログ

近衛予備隊-448 [高校生バトル-87]

 共和国が千年王国に代わっても国民の生活は何も変わることなく、今まで通りインフラ整備が進められ、病院などの施設が少しずつ改善されている。
 一方、バーチャル千年王国では当初の予想を遥かに超える人々が国民になってくれ、大きな収入を国にもたらすことになった。
 十ドルで国民になると基本コンテンツを利用出来るのだが、ゲームなど賑わっている所では追加の課金をしたくなる場面が色々用意されていて、国民は王国を潤してくれるのだ。
 その利益でバーチャル千年王国を拡張してはいるが、リアル千年王国の予算に加えられている額は少なく無い。

「佐伯学長はバーチャル千年王国の盛り上がりをどう捉えているのです?」
「リアルとバーチャルの境界をあやふやにした所がウケてたと思ってる、そこを狙ったのだがね。」
「言われてみればそうかもしれません。
 リアル千年王国へ旅行するなら、バーチャル千年王国内で色々調べることが出来、手続きも簡単ですが、未来地図は特に面白いですね。」
「あれは、学生の発案でね、誰しもが街を綺麗にするクラウドファンディングを発案出来る所がウケたみたいだ。」
「現状写真を地図から閲覧出来、それに対して自分はこうしたいと未来図を公開、賛同者を得られたらクラウドファンディングのスタート、その成果に関係なく未来図に近付けつつある所も有るそうです。
 今の所は花壇にしたいと言った比較的お金の掛からない提案が多いみたいですが、広大な荒れ地をターゲットにしてくれた所では我々が思いもしなかった提案が出されて、担当者はその可能性を違った角度から模索しています。」
「中には無責任な提案も有るが、バーチャルマップの一角にリアルマップが有ることの意味は大きいと思うよ、世界中の人達が自分の国として考えてくれてるからな。」
「バーチャルは現実離れした国土になるのかと思っていましたが、意外とまともですね。」
「基本的な社会は常識的なのが良いのだろう、趣味のエリアが急速に広がっているから、そっちは混沌として行っても不思議ではないだろう。
 色々な意味でこれからなんだよ、まあ、国民になってくれた人達を様々なコンテンツで満足されられている様だからバーチャル千年王国は伸びると思うよ。」
「佐伯学長はその為に人材育成をして来られたのですね。」
「まあな、リアルな詩織が多くの人と接することは難しいが、たとえ映像であったとしても人生の節目に女王が登場したら国民にとって嬉しいことだと思ってな。
 それを充実して行く人材はまだまだ必要だけどな。」
「千年後の国民を意識しているのですから当然ですね。」
nice!(11)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 11

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。