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近衛予備隊-392 [高校生バトル-82]

 亮二は自分が想像していた以上に知識を持っていて大人だった。
 英語での表現が分からない時は日本語になりそのまま日本語で話すことも有ったが、私の知らないことは分かり易く説明してくれた。

「それで亮二くんはどうだったの?」
「十一歳になったばかりの子とは思えない知識を持っていて驚かされました、詩織も一度会ってみると良いです。」
「数学の研究室を開いて貰うのは決定なのね。」
「その前に発電に関する研究室を立ち上げることになりそうです。
 高校生の会社は、発電効率より見た目の面白さがウケているのですが、電気自動車の充電を考えたら根本的に見直す必要が有るのです。
 彼らの会社から研究開発部門を独立させ大学の研究室とし、3Dプリンターなど機材を充実させます。
 彼らは試してみることで良い物を模索して来たのですが、そこに流体力学と言った知識を加えて発電効率を上げ、まずは電動バイク用バッテリーの充電装置を開発して貰いたいと考えています。」
「電動バイク?」
「電気自動車は車両価格が高いですが、電動バイクなら坂道の多い王国内でも普及させられそうで、レンタルサイクルより人気が出るかも知れません。
 バッテリーの充電は簡易発電装置を使い、バッテリーを交換するタイプにすれば、充電の為に待つ必要は有りません。
 不測の事態が起き停電しても人の移動手段として役に立ちます。」
「そのアイデアは亮二くんから?」
「ええ、日本では電動アシスト自転車が人気だそうです。」
「そうね、運転免許の無い人にとっては便利な移動手段だと思うわ。」
「でも、主婦向けの自転車でも結構高額だそうで、ここの免許制度は緩いから半端なアシスト自転車より電動バイクを普及させるべきだとか。」
「彼はそんなことまで考えていたの?」
「友達と会話する中で色々考えていたそうです、電動バイクを使ってみたいとも。」
「調べてみないとだけど、まずは輸入することになるわね。」
「ええ、ただ、バッテリーは輸入に頼らざるを得ませんが、他のパーツは極力我が国で製造し組み立てられたら製造業の拡大に繋がると話していました。」
「そんな考えも友達の影響かしら?」
「多分、そうだと思います、彼の親しい友人は二十歳前後の近衛予備隊リーダーですので。」
「坂が多くて自転車移動に負担を感じてるリーダー達が亮二と相談したと考えれば良いのかしら?」
「色々なことを話しているそうですので、その一つなのでしょう。
 電動バイクをレンタル出来る様にすれば観光客にも喜んで貰えると思います。」
「簡易発電による電動バイク向けのバッテリー充電システムが出来れば、そこから色々応用が利きそうね。」
「はい、将来的には化石燃料の輸入をゼロにしたいです。」
「そうね簡易発電が広がれば主力の発電網に余裕が出来るのでしょ。
 それで、電動バイクには私も乗れるのよね?」
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